エーザイ株式会社とMAMORIO株式会社は、認知症患者や高齢者を対象とするお出かけ支援ツール「Me-MAMORIO」(みまもりお)を発売する。
Bluetooth2を活用した小型タグ。軽量で丸いボタン形状で、上着や帽子に縫い付けたり、鞄や財布に入れての使用が可能。また付属品のシールを用い、メッセージや連絡先を書くこともできる。
「Me-MAMORIO」の機能は以下の通りだ。
- 自宅からの外出を確認
スマートフォンを同期(ペアリング)しておくと、「Me-MAMORIO」を携帯した本人が自宅から外出したことを、自宅にいる家族がスマートフォンのアプリから確認することができる。 - 在宅確認の支援
無料のアプリをインストールしたタブレットやスマートフォンをWiFiなどの通信環境のある自宅に設置することで、家族や介護関係者は遠隔地にいながら本人の在宅あるいは外出した時間を確認することができる。 - 外出時の見守り支援
「Me-MAMORIO」を携帯して自宅から外出した認知症の方や高齢者が、無料アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットを持つ見守り協力者、あるいは駅などのMAMORIO Spotに設置された固定受信装置に近づくと、自動的に位置情報がサーバーに送信される。家族や介護関係者は、スマートフォンやタブレットから、最大で24時間前までの確認ができる。なお、見守り協力者はGPSとBluetoothをオンにしてアプリを起動することで、見守りに協力することができる。また、「Me-MAMORIO」使用者の急なケガや病気などのトラブルに備え、東京海上グループと提携し、本人や家族が利用できる24時間電話受付の緊急医療相談やサービスなども提供される。
<背景>
総務省の統計によると、団塊世代が75歳以上を迎える2025年には、65歳以上の高齢者は3,657万人、総人口の30%にのぼる。また、厚生労働省によると、認知症患者は2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人となる約700万人まで増加すると予測されている。
警視庁の集計では、2016年に警察に届け出のあった行方不明者のうち、認知症が原因だった人は15,432人となり、統計を開始した2012年以降、年々増加している。
エーザイとMAMORIOは、2016年7月に「Me-MAMORIO」の開発提携に関する契約を締結し、自治体や地域住民などの協力のもと、実用化に向けた実証実験を行ってきた。
その結果、認知症患者や高齢者の自由なお出かけ支援のためには、本人が携帯しやすいタグの形状や重量の工夫、および位置情報データの取得精度の向上に加え、「Me-MAMORIO」の活用と併せた、人的ネットワークを含む見守り環境の整備が重要であることが分かったという。今回は、その点を改善してのリリースとなる。
<商品内容>
販売価格:4,500円 (消費税抜き) ※月額利用料金なし、関連アプリケーション無料
本体サイズ:直径37㎜、厚み5.8㎜
本体重量:7g
色:白、黒
【関連リンク】
・エーザイ(Eisai)
・MAMORIO
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。