STマイクロエレクトロニクスは、スマート機器の試作開発を効率化するBluetooth low energyモジュールの「SPBTLE-1S」を発表した。
同社のアプリケーション・プロセッサのBlueNRG-1に加え、バラン、オシレータ、チップ・アンテナなど、無線サブシステムに必要なすべての要素が搭載されているため、すみやかな利用が可能。
「SPBTLE-1S」の最大のメリットは、開発者がハードウェア設計やRF回路のレイアウトといった手間のかかる作業を省略できることだ。
BQE(※)による認可に加えて、FCC、IC、およびCE-RED(無線機器指令)についても認定済であるため、北米およびEU市場における最終製品の認証取得を簡略化できる。また、同社のBluetooth 4.2準拠のBluetooth low energyプロトコル・スタックが搭載されていると共に、対応するソフトウェア開発キット(SDK)には幅広いBluetoothプロファイルや、サンプル・アプリケーション・コードが含まれている。
小型(11.5 x 13.5mm)かつ幅広い電源電圧範囲(1.7~3.6V)を特徴とする「SPBTLE-1S」は、ボタン型一次電池や充電式リチウム・イオン電池等の多様な電池で駆動する小型の機器に最適。
また、「SPBTLE-1S」を搭載した開発ボードも用意されており、さまざまな種類のスマート機器を開発することができる。
STEVAL-IDB007V1Mは、「SPBTLE-1S」とMEMS大気圧センサ、温度センサ、LED、プッシュ・ボタン、プログラミング・インタフェースが搭載された開発ボードで、入手後すぐに付属のデモ・ソフトウェアを実行できる。
Arduino互換コネクタも搭載されているため、拡張ボードを追加して、より複雑なアプリケーションの開発も可能。この開発ボードは、BlueNRG-1をベースとした既存のSTEVAL-IDB007V1プラットフォームに対して、ファームウェア、ソフトウェア、およびハードウェアとの互換性がある。
※BQE(Bluetooth Qualification Expert): 製品の認証資格をもつBluetoothSIGのメンバーで、認証関連のサービスを提供できる。BQEの認可により、認証執行プログラムによる抜き取り監査が免除される。
【関連リンク】
・STマイクロエレクトロニクス(ST)
無料メルマガ会員に登録しませんか?

技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。