【概要】
■2017年の製造分野の第3のプラットフォームへの支出額は1兆4,219億円で前年比7.5%増を、流通分野の支出額は9,976億円で前年比6.4%増を予測
■組立製造の2016年~2021年の年間平均成長率は8.4%、プロセス製造は同7.9%、小売は同8.0%を予測し、堅調な成長率で推移する
■ユーザー企業調査結果から、小売はビッグデータ活用が、組立製造はイノベーションアクセラレーターの導入が、他の産業と比較し進む傾向にある
IDC Japanの調査によると、2017年の製造分野の第3のプラットフォームへの支出額は1兆4,219億円で前年比成長率が7.5%、流通分野は同9,976億円で同6.4%と予測される。
国内第3のプラットフォーム市場は消費者市場を除いてすべての産業分野で堅調に拡大を続ける見込みだ。なかでも高い前年比成長率で推移し市場拡大を牽引する産業に、製造と小売が含まれるという。
組立製造の2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は8.4%、プロセス製造は7.9%、小売は8.0%であり、堅調な成長率で推移するとみられる。
ユーザー企業へのアンケート調査では、ビッグデータの活用について小売が他の産業分野と比較し突出して高い結果となった。これは、小売は製造と卸売に比べ、顧客である消費者のデータを取得しやすく、購買履歴やモバイルデバイス経由の位置情報やSNSでの口コミなどのデータを、マーケティングや需要予測、店舗開発等の用途で活用が進むことが背景にあるとみられる。
なお、イノベーションアクセラレーターのうちIoT、コグニティブ/AIシステム、AR/VRについて導入状況を産業分野で比較したところ、組立製造では、いずれのテクノロジーも「導入しておらず、計画もない」と回答した企業が少なく、「導入の有無や状況をまったく把握していない」という回答が最も少ない結果となった。
組立製造はイノベーションアクセラレーターを取り入れることに積極的な産業分野であると言え、実際に第3のプラットフォームの市場規模の成長率の高さにも反映されている。

【関連リンク】
・IDC Japan
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。