サイレックス・テクノロジー株式会社は、メッシュネットワークシステム「BR-400AN」を発表した。スマート工場向け設備稼働情報の収集ネットワークや、医療/ヘルスケア向けのフロア無線LANなど、「切れない無線」が必要とされる用途に向けて同製品を順次展開していくという。
無線LANを活用して安定的なネットワーク環境を構築するためには、電波遮蔽物などによる不感領域の解消や無線帯域のチャネル設計など専門知識が不可欠で、このことがコスト高の要因になっている。
そのため、導入に際してはいかに簡単に環境を構築できるかがコストを抑えるための課題となっている。
同製品は、メッシュネットワークの標準規格であるIEEE 802.11sに対応した独自のアルゴリズムで、網の目のように構成された通信経路において、複数ノードを経由して目的地までパケットを送るマルチホップ機能を有している。
また、無線環境の変動から生じる通信エラーを自動的に検知し、障害地点を迂回して安定的な通信を継続することができる。
無線中継局となるアクセスポイントが不要で、複数台を一定間隔(見通し15m~20m程度)に設置するだけで自動的に無線LANを構築することができるため、簡単に低コストでネットワーク環境を構築できるという。
同製品を活用すると、既設の基幹LANへの接続がシームレスに行えるほか、アクセスポイント機能を使ってスマートフォンやタブレットPCなどの無線デバイスも接続できるとのことだ。
なお、同製品は、サイレックス製機器の統合デバイス管理ソフトウェア「AMC Manager」(別売り)やそのオプションプラグインとなる「Mesh Monitor」(別売り)を併用することで、メッシュネットワークの詳細管理・運営が可能となる。
具体的には、以下の機能がある。
- 「BR-400AN」の複数台一括初期設定/変更
- 「BR-400AN」のマッピング(任意の地図イメージを取り込み、そのうえに端末を配置できる機能)
- メッシュ接続状態のモニタリング(「BR-400AN」間で形成される接続リンク、経路、電波強度の可視化)
- 通信経路のコントロール(経路再構築指示、経路フィルタリング)
- トラブルシュート(システムログ保存、経路のステータス記録/再生)

【関連リンク】
・Mesh Network System「BR-400AN」
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。