株式会社日立システムズと製造コンサルティングやインソーシング(製造請負)事業などを行う株式会社平山は、製造業向けサービスの分野で協業し、両社の製品・サービス・ノウハウを組み合わせた「現場改善支援サービス」の販売を本日より開始すると発表した。
同サービスは、平山のコンサルタントが製造現場を調査・分析し、TPS(トヨタ生産方式)に基づく改善策を提供する「現場改善コンサルティングサービス」や熟練スタッフによる製造請負サービスと、日立システムズの「FutureStage 製造業向け生産管理システム」やIoT関連サービスを組み合わせて提供するものだ。
これにより、IoTを活用した設備稼働状況や生産状況の見える化、システムを活用した生産計画・工程管理の徹底による品質向上と納期短縮化、生産性向上に向けて、現場目線での改善案提案からシステム導入、製造請負、さらには継続的な現場改善まで一環して支援するとしている。
平山は「人に付いた技術で日本のモノづくりを支援する」をコンセプトに、TPSを基盤とした独自の「現場改善コンサルティングサービス」を国内外で提供している。
同社は、製造現場で多くの実績をもつコンサルタントが改善案などを提案するだけではなく、平山の作業実施部門が現場で改善案に基づいた製造請負や現場管理を手がけるなど、現場改善活動を一貫して行えることが強みだという。
一方、日立システムズは、中堅・中小規模の製造業に向けに生産管理などを行う基幹業務パッケージ「FutureStage」を約30年にわたり提供している。これまでに累積4,000システム以上の導入実績があるという。
また、IoTを活用した稼働状況の見える化を支援するサービスや、AIを活用して生産性向上を図る取り組みなどにも注力するなど、幅広いサービスを提供している。
近年、製造業では、工場全体の稼働率向上や生産性向上を目的に、IoTを活用して生産設備の稼働状況をリアルタイムで把握したり、実績データを自動管理したりするニーズが高まっている。
一方で、中堅・中小企業の現場担当者は多忙で、ITやIoTに精通した人材の確保も困難であることから、現場改善案の検討やシステム導入に向けた基礎データ(台帳データ、部品マスター)の準備が難しかったり、せっかく導入してもシステムを使いこなせないなどの課題があった。
こうした背景を踏まえ、日立システムズと平山は協業し、両社の製品・サービス・ノウハウを組み合わせた「現場改善支援サービス」を販売開始する。
具体的には、平山のコンサルタントが設備の設置場所や在庫管理作業、棚卸し作業など、実際の現場や作業をビデオ撮影などを通じて診断・分析し、工場や生産ラインにおける現場のさまざまな問題点を抽出し、現場作業の改善案を作成。
現場作業の改善案を作成する際は、作業効率化を支援するシステムとして日立システムズの「FutureStage 製造業向け生産管理システム」やIoT関連サービスなどを活用する。
センサーなどを設置し、各設備の生産実績データなどを収集し、工程の進捗をリアルタイムに把握することで、ボトルネックになっている工程の改善を支援するほか、収集した生産実績データをシステムに自動入力することで、作業効率を改善。
さらに、設備の累積稼働時間やショット数、振動数を把握することで、設備が故障する前に適切なメンテナンスが実施できるようにしていく。こうした予防保全により、生産設備の故障を防ぎ、工場全体の稼働率向上を支援するとしている。
また、作成した改善案に基づき、平山の作業実施部門が顧客の工場の現場で「FutureStage 製造業向け生産管理システム」の台帳データや部品マスターの整備代行、IoT活用に向けたセンサーの取り付け、製造代行などをするほか、その後も継続的に現場改善活動を行うという。
【関連リンク】
・日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」
・平山(HIRAYAMA)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。