MTES株式会社と株式会社スリーエスは、IoTを活用したLED照明システムを共同で開発し、販売するために2017年12月1日に業務提携した。
スリーエスが展開する屋外スポーツ施設向けLED照明に、MTESの自動調光IoTシステムを装備することで消費電力を削減。防犯や鳥獣被害対策としての監視カメラや温湿度センサーが設置できるなど、拡張性を持ったLED照明設備として2018年2月1日に発売するとしている。
LED照明の導入費用約3億円、明かりの広がりや眩しさへの対策などが導入障壁
これまで、ゴルフ場などの屋外スポーツ施設の照明は、「水銀灯」や「メタルハライドランプ」が一般的に使用されていたが、「水銀に関する水俣条約」の発効や温室効果ガスや消費電力の削減を目的に、「上がり3ホール」だけでもLED照明を導入したいという施設が増えているという。
しかし、施設運営会社がゴルフ場18ホールを全てLED照明に切り替えるとなると約3億円という高額な導入費用を負担しなければならない。また、LED照明の特性である直線的な明かりの広がり方や眩しさへの対策なども必要だ。
これらが導入障壁となり、全国のナイター設備のあるゴルフ場60コースでLED照明化できている施設は7コースと全体の11%程度に留まっている現状だ。
防犯や鳥獣被害対策としての監視カメラや温湿度センサーの設置など拡張性を装備
スリーエスのLED照明は、これまでに「昭和の森ゴルフコース」など18ホールあるゴルフ場で7施設の導入実績がある。
MTESは、通信方式LoRaを活用した、商業施設の「自動エネルギーマネジメントシステム」や介護施設利用者の「見守りシステム」の導入実績がある。
両社は、同システムを採用することで18ホールでの導入費用を1~1.5億円程度に抑えることができ、LED照明化することで節電したよりも更に3割程度の節電が可能だとしている。
また、拡張機能として、監視カメラや温湿度センサーを組み合わせることが可能で、防犯や鳥獣被害対策として活用したり、ゴルフ場利用者へ温湿度情報を提供したりすることも可能だという。
【関連リンク】
・MTES
・スリーエス(Three-S)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。