酪農・畜産向けIoTソリューションを提供する株式会社ファームノートホールディングス(以下、ファームノート)は、株式会社産業革新機構(以下、INCJ)、全国農業協同組合連合会(以下、JA全農)、農林中央金庫(以下、農林中金)、住友商事株式会社の4社から、事業強化を目的に総額5億円の資金調達を実施したと発表した。今回の資金調達を含めた累計資金調達額は、総額約11億円となる。
ファームノートは2015年8月に総額約2億円、2016年に総額約3億円の資金調達を実施し、従来より提供してきたクラウド牛群管理システム「Farmnote」の拡販および機能強化に努めると共に、「Internet of Animals ※1」を実現する牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」を開発し、事業展開してきた。結果、売上成長率は過去3年で約30倍となり、ユーザー数も1,600農家、契約頭数16万頭(※2)となった。
今回の資金調達の目的は以下の通り。
- JA全農およびNTTドコモとの協業による畜産向けICTの全国展開
JA全農とファームノートは、ICT技術を活用した農業生産者所得の向上に向けて、システムプラットフォームやセンサーデバイスの共同商品開発・普及促進について資本・業務提携を行った。今回、株式会社NTTドコモと業務提携を行い、JA全農とファームノートの取り組みを販売促進面で協力し、3社協業の上でFarmnote製品を全国の農協を通じて販売開始する。 - 農業分野での人工知能・IoT活用への更なる研究開発の実施
ファームノートはすでに設立済みの農業への人工知能とIoT活用の研究組織「Farmnote Lab」をさらに推進させると共に、すでにFarmnoteで利用している「Farmnote Connect(農業データ統合API)」を牛以外の農業に拡張し、農業生産のデータの自動収集と、人工知能を活用して農業の最適化を実現する統合プラットフォ ームを構築する。 - 住友商事との協業による畜産向けICTおよび農業ITプラットフォームの世界展開
今後、住友商事が、ファームノートの海外畜産向けの取り組みをサポートし、「Farmnote」及び「Farmnote Color」を海外展開する役割を担う。住友商事の海外拠点ネットワークを活用し、日本の酪農・畜産管理システムを世界に広め、世界の畜産業に貢献するとともに、得られる膨大なデータを国内農業にも活かす好循環を目指すという。また、酪農・畜産に留まらず、日本で培った農業ICT技術を世界へ展開するために、住友商事と耕作向けプラットフォームの共同開発を進めるとしている。
ファームノートは今回の資金調達により、研究開発投資を促進し、事業基盤を強化する。農業領域での人工知能活用のさらなる推進を行うなど、酪農・畜産をはじめとした国内農業の生産性向上および競争力強化に貢献していくという。
※1 経済動物をセンサーでインターネットにつなげ、人の目を介さずに人工知能により動物の状態を検知し、最適な飼養管理を実現する技術。ファームノートが提唱。
※2 参考:日本の飼養頭数390万頭
【関連リンク】
・ファームノートホールディングス(Farmnote holdings)
・産業革新機構(INCJ)
・JA全農(ZEN-NOH)
・農林中金(Norinchukin Bank)
・住友商事(SUMITOMO)
・NTTドコモ(NTT docomo)
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