内田洋行ビジネスITフェア2024

ISID、XAI(説明可能AI)ソリューション「simMachines」の提供を開始

株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は、このほど、アメリカの simMachines, Inc.が開発・提供する人工知能(AI)ソリューション「simMachines(シムマシーンズ)」の販売権を日本企業として初めて取得し、提供を開始した。

ISIDは、simMachines は 「説明可能 AI ( Explainable ArtificialIntelligence:以下、XAI)」の一つで、「高精度な予測」と「予測に至る解釈の提示」という、従来は両立が難しいとされてきた AI 活用における課題を、独自アルゴリズムにより解決したソリューションだと説明している。

背景

昨今、様々な事象を高精度に予測する AI に大きな注目が集まり、広範な領域で本格活用が期待されている。

一方、現在 AI の主流となっているディープラーニング等の技術は、予測することはできても、なぜその予測に至ったかという根拠を示すことができないため、公的サービスやビジネス上の重要な意思決定など、公平性や透明性が求められる領域への適用がしづらいことが指摘されてきた。

そこで近年では XAI が注目されるようになり、2016 年 8 月に XAI への投資プログラムを発表した米国国防高等研究計画局(DARPA)をはじめ、世界の大学や研究機関などが開発に取り組んでいる。

simMachines の概要と特長

simMachinesは、Similarity Search(類似検索)の考えに基づく独自アルゴリズムにより、「予測」と「解釈性」の双方を兼ね備え、一貫したサービスとして提供する Web アプリケーション。主な特長は次の通りだ。

1.汎用性の高い独自アルゴリズム

simMachinesには、創業者であり Similarity Searchの権威と言われるアーノルド・ミュラー博士が開発した独自のアルゴリズムが実装されており、大量のデータに対しても高速かつ高精度な分析を実行することが可能。

一般にディープラーニングや Similarity Search で用いられるアルゴリズムは、データに紐付く変数(次元)が増加するにつれて十分な学習結果が得られにくくなる、いわゆる「次元の呪い」と呼ばれる普遍的な課題を抱えているという。

simMachines のアルゴリズムは、独自の計算手法によりこれを解決し、数千項目の変数を持つデータにも対応。様々なデータ分析に汎用的に用いることが可能だという。

2.データレコード単位、値の範囲で根拠を把握

データ間の類似性を指標として持つ simMachines の予測アルゴリズムにより、データレコード単位、かつ値の範囲で予測の根拠を把握することが可能。

例えば、「列 X の値が 0.4 であるデータ A は、0.1-0.5 の範囲にあることが要因で結果 C につながると類推される。つまり結果 C を回避するには、列 X が 0.1 未満または 0.5 超になるよう手を打てばよい」といった具体的な改善や施策につながる分析が可能になるという。

3.ノンプログラミングで予測モデルを生成し、業務や RPA 判断プロセスに組み込める

simMachines は、投入データをもとにノンプログラミングで予測モデルを生成する機能を搭載。予測モデルは生成されると同時に API 化され、即座に業務システムや RPA などに組み込むことが可能だ。

ISID ではすでに、製造業の生産工程における特定事象発生の要因分析や、金融機関における与信結果分析など、業種業態を問わず様々な分野で複数の顧客企業との PoC(概念実証)に着手している。

【関連リンク】
電通国際情報サービス(ISID)

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