金沢工業大学の山下正人氏(大学院情報工学専攻博士前期課程1年)と中沢実教授(情報工学科) 、西川幸延教授(基礎実技教育課程)の研究グループは、画像刺激を用いた脳波解析による生体認証方式で98%の個人認証精度を実現したと発表した。
同研究成果は10月5日からニュージランドで開催される国際会議ICMU2018(International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking)で発表される。
これまで、金沢工業大学工学部情報工学科中沢実教授の研究室では、脳波を用いたロボットハンドの制御や車いすロボット制御システムの開発に取り組んできた。
車いすロボット制御は、利用者が頭の中で目的地を指定するだけで車いすが自律的に移動するもので、最終的には利用者が初めて訪れる施設であっても脳波から利用者の意図を読み取り、容易に目的地まで辿りつくシステムの実現をめざしている。
この脳波を用いた車いすロボット制御システムは、AIの一手法であるディープラーニングを用いて、多くの利用者の脳波データから共通解を見出し、人の違いがあっても機器の制御を可能にする技術で、すでに80%程度の精度を実現していた。
こうした研究成果が評価され、中沢教授は、情報処理学会が主催する研究会およびシンポジウムにおける研究発表のうち、特に優秀な論文の発表者に授与される2015年度山下記念研究賞を受賞した。
そして今回の研究は、個人毎の脳波特性によって埋めきれなかった残り20%の部分に着目し生体認証に利用しようとしたものだという。
1
2
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。