TISインテックグループのTIS株式会社と、株式会社FRONTEOは、パートナー契約を締結し、FRONTEOが独自開発した人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」を活用したソリューションの展開、提供を共同で推進していくことを発表した。
「KIBIT」は、少量の学習データから見つけたいデータを抽出するテキスト解析に強みを持つ人工知能エンジン。両社では、協業の第一弾として「製薬業界向けのソリューション」および「特許調査支援のソリューション」の提供を共同で行う。
テキストに特化した人工知能の研究、開発を行うFRONTEOの人工知能エンジン「KIBIT」は、国際訴訟における証拠の発見という業務において培われた大量のテキストデータから抽出される弁護士の経験や勘に基づく知識である「暗黙知」をベースとして、データ分析の現場を通して集積・体系化されたノウハウが実装されており、わずかな教師データからそれを選んだ人間の機微や経験、判断に基づく暗黙知を学習することができる。
TISでは、2017年にAIサービス事業部を立ち上げ、特に自然言語の分野においては意図推定、対話、音声認識といった独自の技術を活用したサービスの開発を進めて来た。そうした中で、FRONTEOの提供する「KIBIT」のテキスト解析などを高く評価し、今回のパートナー契約の締結に至った。
両社は、協業の第一弾として以下のようなソリューションを展開していく。
- 製薬業界向けソリューション
TISの製薬業界向けソリューション「Medical Drive(メディカルドライブ)」をはじめとした、製薬業界で培った業務ノウハウとFRONTEOが提供する人工知能「KIBIT」等を活用した自然言語による業務の高度化を実現するソリューションを提供。顧客の経験で培われた感覚や暗黙知を学んだ人工知能エンジンを備えたビジネスデータ分析支援システム「KIBIT Knowledge Probe」が、MR(医薬情報担当者)の日報や問い合わせ、口コミなど、コミュニケーションにおける膨大なテキストデータを分析し、製薬企業における円滑な情報伝達と新たなビジネス機会の創出、リスク回避を支援する。
また、人工知能によるQ&Aシステム「KIBIT Find Answer」を活用し、自然文で入力された質問の特徴を学習し、製薬企業における各分野のエキスパートが過去に行った回答データから適切な内容を抽出して迅速に提示することで問合せ対応の省力化に貢献。
※ファーマコビジランス:日本語では「医薬品安全性監視」などと訳される。世界保健機関(WHO)によって「医薬品の有害な作用または医薬品に関連するその他の問題の検出・評価・理解・予防に関する科学と活動」と定義されている活動
※メディカル・アフェアーズ:製薬企業において新薬の開発から市販後までトータルでコーディネートする専門組織 - 特許調査支援ソリューション
化学業界、製造業等において、人工知能「KIBIT」を活用し、特許調査業務に活用するソリューションを提供。特許調査を効率化する特許調査・分析システム「KIBIT Patent Explorer」を活用して、発明の新規性・進歩性を否定する根拠となる可能性がある特許文献を、迅速に発見・抽出することで、無効資料調査を中心に、特許調査が必要となる多様なシーンで特許実務を強力にサポートする。
※IPC:「International Patent Classification」国際特許分類。特許と実用新案の登録項目に関する国際的分類法
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