ディープラーニング技術を活用する企業に向けたソリューションを提供するLeapMind株式会社は、低消費電力FPGA上でディープラーニングを実現するソフトウェアスタック「Blueoil(ブルーオイル)」を、10月19日よりオープンソースソフトウェアとして一般公開した。
「Blueoil」オープンソース化の背景と概要
近年、AI技術の中でも特にディープラーニングに大きな注目が集まっているとのこと。ディープラーニングにより、画像処理や音声処理など、いくつもの分野で劇的な精度向上が実現されてきたという。しかし、その計算には多大なコンピューティングリソースが必要となり、消費電力やコストが重要な課題となっているそうだ。特に、電力供給に限りがあるエッジデバイスでは電力の問題はとても大きな課題。
「Blueoil」は、低消費電力FPGA上で動作する特殊なニューラルネットワークを生成するために必要なコンポーネントをワンストップで提供するソフトウェアスタック。一般的なニューラルネットワークの計算は、ほとんどが浮動小数点数を使った行列積や畳込みだが、低消費電力FPGAでは、浮動小数点数の高速な計算は困難。
「Blueoil」では、それらの計算をビット演算を用いて近似する(量子化)ことで、低消費電力FPGA上でニューラルネットワークを実用的な速度で動作させる。計算要素を8bitよりも小さなデータで近似する際には、量子化の処理を考慮した特殊な学習を行う必要があるが、「Blueoil」にはこのための特殊な学習手法があらかじめ実装されている。
また、量子化したニューラルネットワークを実際に高速に実行するためにはランタイムライブラリが必要となるが、「Blueoil」にはこちらの実装も含まれている。ユーザーは学習データを用意するだけで、低消費電力FPGA上で動作する特殊なニューラルネットワークを簡単に生成できる。
「Blueoil」を使うと、従来は技術的に困難であったとされる小さな機械やロボットなど、様々なエッジデバイスへのディープラーニング技術の導入が可能になるという。
含まれる機能
- ニューラルネットワークの量子化
- 低消費電力FPGAで動作させるためのオリジナルのニューラルネットワークアーキテクチャ
- 低消費電力FPGAで動作するランタイムライブラリ
・LeapMind
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