米PTCは、2018年11月23日、先進的ジェネレーティブ・デザイン・ソフトウェア会社のフラスタムを約7,000万ドルで買収したと発表した。
フラスタムのジェネレーティブ・デザイン技術は、AIを活用して設計オプションを生成するアプローチであり、革新的要素としてCreoのポートフォリオに追加される。
コロラド州ボルダーを本拠とするフラスタムは、特許取得済みのデスクトップおよびクラウド・ベースのエンジニアリング・ソフトウェアを提供している。
このソフトウェアは、AIを活用して、高性能な次世代製品設計の発見へ設計者やエンジニアを導き個人の経験の限界を超えることができるとのこと。
PTCのジム・ヘプルマン社長兼最高経営責任者(CEO)は次のように述べている。
「この買収により、PTCはイノベーションの限界を押し上げます。 CreoはPTCの全体的な戦略の中核を成すものであり、ANSYSの組み込み機能、そして今後はフラスタムの機能の追加により、Creoは設計とシミュレーションの世界トップの地位に立つことができます。AR/VR、ハイパフォーマンス・コンピューティング、IoT、AI、付加製造などの画期的な新技術の登場により、 CAD業界は新生期を迎えています。PTCはこれを先導すべく取り組んでいます。」
今回のフラスタムの買収は、2018年6月にLiveWorxで発表されたPTCとANSYSとの戦略的関係を補完するもので、フラスタムの持つ機能を組み込むことにより、設計プロセスの上流で解析を行うことが可能になる。
また、フラスタムとANSYSの機能を活用することにより、Creoはジェネレーティブ・デザインを用いた設計アプローチを推奨することができる。
さらに、ANYSYS Discovery Liveを用いた反復設計プロセスでユーザーを導き、最終的に広範なANSYS Discoveryスイートを使用して大規模かつ完全な製品設計を検証することができる。
これらの機能がCreoに組み込まれることで、エンジニアは製品イノベーションを迅速に推進する優れた能力を得ることになる。
ジェネレーティブ・デザインの力
ジェネレーティブ・デザインで、エンジニアは、望ましい材料や製造プロセスなど、自らの設計の機能要件と目標をインタラクティブに指定することができ、また、購買意思 決定、製造能力、サプライチェーンの状況、地域的に必要な製品の差異を考慮した主要な設計パラメーターを指定することができるという。
また、このシステムは AIと強力なハイパフォーマンス・コンピューティング技術を活用して、出発点または最終的なソリューションとして検討すべき設計オプションを提示する。
人の想像力や経験の制約を取り除くことにより、エンジニアは技術と相互作用することで優れた設計や革新的な製品をより迅速に作成することができる。
ジェネレーティブ・デザインは、以下の課題に取り組むPTCの広範な顧客層に貢献するとのこと。
【関連リンク】
・ピーティーシー(PTC)
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