近年、少子化の進行により労働力人口が減少し、外国人労働者の登用・活用に積極的に取り掛かる企業が増えている。全国的に外国人労働者数は、2017年10月末時点で約128万人に及び、過去最高人数を更新している。外国人労働者を登用するにあたり課題となっていることは、マニュアル整備や現場でのOJT実施といった外国人労働者向けの教育コストが膨れやすい事だ。
そこで、株式会社ヘッドウォータースでは、ナレッジ共有AIクラウドサービス「Pocket Work Mate」に蓄積された日本人向け動画マニュアルに、翻訳済み字幕を自動追加するAIを開発し、2018年7月から小売業での実証実験を行ってきた。その導入効果を試算した結果、外国人労働者への教育にかける業務時間の約7割減に繋がっていると発表した。
「Pocket Work Mate」は、投稿された動画ファイルに含まれた音声情報を自動的に読み取り、字幕生成と翻訳を行う。これは、日本マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」のAI機能である「Cognitive Service Video Indexer」と、ヘッドウォータースが提供する「Multi AI Platform」を掛け合わせる事で、自動翻訳済み字幕生成を実現している。
翻訳する言語は、英語、中国語、韓国語だけでなく、ベトナム語、フィリピン語、ポルトガル語を含む最大60言語に対応。
これにより、動画ファイルをアップロードして数クリックするだけで、多言語対応された動画マニュアルを手に入れる事ができ、外国人労働者向けの教材制作コストを削減できる。
また、「Pocket Work Mate」には、日本語しか扱えない教育者やメンターでも、外国人のサポートができる「メッセージ自動翻訳」、同国籍の先輩社員が新入社員に教える「国籍グループコミュニティ」、日本人の文化だけでなく外国人の文化も相互理解し合う「相互カルチャーシェア」など、外国人労働者のサポートを可能とする様々な機能を有している。
今回開発されたAI機能だけを企業が利用できる、字幕付き動画への動画変換サービス「JIMAKU Mate」もリリースしている。
「Pocket Work Mate」は、スマートスピーカーと連動した「マルチデバイス連携」や「多言語音声マニュアル検索」、「チャットリアルタイム翻訳」や「自動レコメンド機能」など、AIを実務に活用する為の試験を続けている。
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