IDC Japan株式会社は、国内AIシステム市場を調査し、2018年の同市場の分析と2018年~2023年の市場予測を発表した。同AIシステム市場とはIDCでは、自然言語処理と言語解析を使用して質問に応答し、機械学習をベースとしたリコメンデーションとディレクションを提供することで、人間の意思決定を補助/拡張する技術として定義している。
上記の市場定義に基づき、AIシステム市場の中でAIのコンピューティング能力を提供するサーバーと学習データを蓄積するストレージで構成される「ハードウェア」の2018年の支出額は、前年比119.8%増の142億円で、市場全体の26.6%を占めた。
また、AIシステム構築のためのコンサルティングサービスやアウトソーシングで構成される「サービス」は、前年比87.2%増の200億円で、市場全体の37.5%を占め、さらにAIのコア機能を提供するAIソフトウェアプラットフォーム、およびAIアプリケーションで構成される「ソフトウェア」は、前年比78.6%増の191億円で市場全体の35.9%を占めた。結果、2018年のAIシステム市場全体は前年比の91.4%増の532億円になったとIDCでは推定している。
予測期間の初期では、ユーザー企業におけるAIシステムを検証する目的の継続的なPOC実施があるため、ITコンサルティング/ビジネスコンサルティング/インテグレーションなどのサービス市場の比率が高くなる。
しかし、予測期間の後半では、アプリケーションソフトウェアへのAI機能の組み込みが進み、ソフトウェア市場の2018年~2023年の年間平均成長率(以下、CAGR)が53.4%と高い成長率を維持し、2023年には、同市場は1,619億円に達するとIDCでは予測している。
国内AIシステム市場全体では上記を背景として、2018年~2023年のCAGRは46.4%で、2023年には3,578億円に達するとIDCは予測している。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの飯坂 暢子氏は「ITサプライヤーは企業が外部環境の変革に着手し、継続的なDXを実現できるようデジタルを核とするビジネスモデルをデザインできるコンサルテーションと、柔軟なAIシステム環境/サービスなど、顧客に多様な選択肢を提案できることが重要になる」と述べた。
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