高精細映像などの大量データを現場(エッジ)でリアルタイムにAI処理するためのデバイス「Edge AI Box」、エッジAIの統合管理・収益化プラットフォーム、およびソリューションの3つの事業を提供するEDGEMATRIX株式会社は、米国Cloudian Holdings Inc.及び日本法人クラウディアン株式会社からAI事業をスピンオフした。
今回、株式会社NTTドコモ、清水建設株式会社、日本郵政キャピタル株式会社それぞれと、5Gを活用したIoTサービスで注目されている、高精細映像などの大容量データをデータ生成現場でAI処理し活用するエッジAI事業の活性化に向けて協業する。8月6日付で第三者割当増資により3社から9億円を資金調達した。
エッジAIとは、データ生成現場にてAI処理し活用するものであり、主に次のような場面における課題を解決する。
- コストやエリアの制約からクラウド側のAIを利用することが難しい
- AIによる制御において通信やクラウド処理における遅延の影響を避けたい
- AIで活用するデータがセンシティブなためクラウドで処理、保管したくない
- 機密性が高い環境でありAI処理するデータを外部にだせない
EDGEMATRIXは、今回調達した資金で、エッジAIを実現する次の3つの事業の展開を本格化する。
- 「エッジAIデバイス」事業
エッジにてAI処理し伝送できる屋内と屋外用小型装置「Edge AI Box」は、深層学習ベースのAIなどの高速計算処理をするGPUと無線通信モジュールを搭載し、豊富なインターフェースを備えている。 - 「エッジAIプラットフォーム」事業
「エッジAIプラットフォーム」は、「Edge AI Box」を含みエンド・ツゥ・エンドでエッジAIを統合管理するプラットフォームであり、AIを広く普及させる基盤となる。設置場所を表示し状態管理をするMap Viewを使ったデバイス管理、現場の多数映像をAI処理し同時に表示するEdge Viewなどのサービス管理、AIアプリケーションを配信・管理する機能や、登録・販売を可能とする「マーケットプレイス」を提供する。
この「エッジAIプラットフォーム」は、現在開発を進められ、2020年1月以降に試験サービス、同年4月以降に商用サービスを開始する予定だ。 - 「エッジAIソリューション」事業
「エッジAIソリューション」は、エッジAIを実用化するためのソリューションを提供する。これまで、AIを使った、車種判別による屋外広告、交通量渋滞計測、搭乗者数計測、部品種類判別、不良品・不具合検知等のAIソリューションを手掛け、実証実験段階からAIを商用段階に移行する際に直面する多くの課題を解決した。これらの経験や知見をもとにしたソリューションを提供する。
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