コニカミノルタが、2020年4月にエッジインテリジェンスなAIカメラ「MOBOTIX M73」の提供を開始する。
これまでは、主に監視用途として利用されてきたIPカメラ(以下カメラ)であるが、ディープラーニングなどのAI技術の普及に伴い、画像データを取得するセンサーとして、活躍の場を広げつつある。
例えば、製造現場において、カメラから画像データを取得し、AIアプリケーションを用いて、作業者の動態や動線分析し、作業の無駄を把握する。また、画像データから危険と思われるようなイベントを検知すると外部システムと連携してアラートをあげる、など様々な利用用途が考えられる。
ただし、このようなシステムを利用するために、画像データをクラウドに渡す必要がある、となると難色を示す企業も多いのではないだろうか。
特に、製造業においては、工場内の製造ラインに関する情報など、外部に出したくはないだろう。
その結果、例えば工場内にサーバーを用意して、といわゆるオンプレミス環境の構築を検討する事になるが、導入・運用コストならびに拡張性などの課題に改めて向き合う事になる。
画像解析に特化したアプライアンスも登場しているが、接続されるカメラの台数によりハードウェアの増設が必要であったり、アプリケーションが月額の従量課金で提供されるなど、それなりのコストを覚悟する必要があるものが多い。
AIカメラの可能性と課題
ここで登場するのが、エッジAIカメラである。エッジAIカメラでは、カメラ上でアプリケーションによる画像データの解析が可能となり、データを外部に出さず、かつエッジ側で分散処理を行うので、サーバー費用の低減につながる。
しかし、エッジAIカメラも難しいところがある。
エッジAIカメラでは、カメラにAIアプリケーションがバンドルされているため、アプリケーションの入れ替えが簡単に出来ないものが多い。つまり、AIアプリケーションに期待して購入しても、想定した精度が出なかった、用途にあっていなかった、となれば、以降はただのカメラとして利用する事になる。
また、工場特有のポイントとして、カメラ本体に対する耐環境性や故障率の低さ、取得するデータに対するセキュリティなども重要だ。これらを考慮した上でとなると、そもそも選択できるカメラは限られ、その中から期待に沿うAIカメラを見つけるのは難しいのではないだろうか。
そこで、今回紹介する、コニカミノルタが提供を開始するMOBOTIX M73には大きく3つの特徴がある。
AIカメラならではの豊富かつ柔軟なアプリケーション
標準で19種類のアプリケーションが用意されており、任意のアプリケーションを選択して利用可能だ。
また、SDKの配布を予定しており、AIベンダーによる新しいアプリケーションの開発も今後進んでいく見込みだ。
MOBOTIX M73は柔軟にAIアプリケーションを選ぶ事ができ、様々な利用シーンにおいてエッジAIカメラの活用が期待される。
また、コニカミノルタはMOBOTIX M73の柔軟性を活かしたソリューションの提案も行なっている。
堅牢でセキュアなカメラ筐体
IP66に対応しており、MTBF(平均故障間隔)も80,000時間近くと堅牢な筐体になる。
また、PTZのような駆動する部分を持たせず、光学モジュール(およびセンサーモジュールやオーディオモジュール)を最大で3つまで追加可能としている。これにより、1台のカメラで180度広角レンズおよび望遠レンズを併用することも出来、駆動系の故障リスクを減らして、広域の監視も可能だ。※デジタルPTZは可能。
セキュリティについても、データ通信は暗号化しており、データを保存する際も独自の暗号化を行なった状態でストレージに保管される。保管された動画データを閲覧するにはパスワードの入力が必要となるため、万が一データが抜き取られるような事があっても、動画データが悪意ある第三者の目に触れる事を防ぐ。
シンプルなシステム構成
MOBOTIXシリーズの特徴となるが、NVR(ネットワーク・ビデオ・レコーダ)がカメラに内蔵されている。その結果、NASやカメラ内蔵のSDに直接データを保管する事が出来、非常にシンプルな構成で導入ができるのだ。
また、一般的なIPカメラが持つような、任意のイベントに応じた、録画や管理者へのメール通知も行え、カメラに外部I/Oといったインターフェイスも持っている。
この他にも様々な特徴をもつMOBOTIX M73であるが、詳細な資料は下記よりダウンロードする事ができる。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。