グローリーは1月10日、AI(人工知能)で高齢者施設などの居室を見守る転倒検知システム「mirAI-EYE(ミライアイ)」を発売したと発表した。
同社では、赤外線3次元センサーを活用し、人の骨格から姿勢を正確に認識できるAI画像認識技術を開発。睡眠や生活習慣のデータ解析AIなどを手掛けるベンチャー、エコナビスタが提供する高齢者施設見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」と連携したシステムとして組み上げた。

具体的には、赤外線3次元センサーで読み取った入居者の姿勢をAIが「転倒」と判断すると、「ライフリズムナビ+Dr.」と連動し、事務所の管理PCと介護スタッフのモバイル端末に通知する。
「転倒」だけではなく、転倒に至りそうな「起き上がり」「端座位」「離床」「ずり落ち」「横たわり」を含めた6動作も検知が可能で、介護スタッフが訪室が必要なタイミングを的確に捉えることができ、負担軽減と事故の予防や早期発見につながるという。
赤外線3次元センサーの電磁波は、太陽光と干渉しない人の目に見えない波長を使用しており、直射日光の入る日中や就寝時の真っ暗な居室でも正確に転倒などの検知が可能。センサー部は回転し、人の動きを追従するため、3m×6mと居室内の広範囲を見守ることができる。
管理PCでは、通知履歴、録画映像の保存、閲覧が行える。モザイク設定機能を使えば、プライバシーに配慮した検知やライブ閲覧による見守りもできる。
グローリーによると、高齢者施設内における事故の約6割が転倒で、特に早朝や深夜に多く発生しており、介護スタッフは昼夜を問わず居室への見回りが必要となり、深刻な人手不足の中、大きな負担となっているという。また、従来の居室見守りシステムは、転倒していないのに発報するケースがあったとしている。
そこで、同社では、高齢者施設での質の高い介護や介護現場の生産性向上に貢献を目的に、様々な姿勢を機械学習させたAIの画像認識技術を使うことで、高齢者の物を拾う動作やベッドに座る動作などを誤検知する問題を解決し、高精度な検知が行えるシステムを開発したという。
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