テクノスデータサイエンス・エンジニアリング株式会社(以下、TDSE)と、株式会社フィスコは、今後活発化していくFinTech分野においてクラウド型人工知能金融市況サービスの研究開発にむけて業務提携した。
TDSEは各業界・業務毎に経験豊富なデータサイエンティストを多数保有している。金融業界においてもビッグデータ解析によりマーケティング戦略立案やリスク管理に役立つサービスを提供しており、それらノウハウを醸成した独自のAI製品「scorobo(※1)」を提供してきた。更なる拡張を目指して、業界・業種別に使用できる「Omni-Scorobo」も発売し、顧客層拡大を図る計画を進めている。FinTech分野におけるビッグデータ解析ニーズの高まりを受けて、シリコンバレーを始めとしたディープラーニング等最先端技術の調査研究を進めてきた。
フィスコは創立以来一貫して、中立・公正を是として、株式、為替のほか、商品、先物、オプションといった金融商品全般にわたり、投資家に資する経済情報・企業情報を配信している。Bloomberg、Reuter、QUICK、IFISなどプロ向け金融情報端末を通じ、金融機関、機関投資家、インターネット金融商品取扱業者へリアルタイム情報を提供している。また個人投資家向けにもヤフー等のポータルサイトやニュースサイト各社との提携を通じて情報配信しており、金融情報配信会社として優位性ある地位を確保している。
またLaQoo+(現「フィスコAI」)(※2)による株価予測システムを提供し、アルゴリズムトレード向上に寄与すべく、AI活用について検討してきた。更にビットコインを中心とした仮想通貨の情報、取引所、同システム、金融仲介機能を総合的に担い、産業分野への仮想通貨を介した一気通貫サービスを提供していくため、フィスコ仮想通貨取引所を設立した。なお、今回の提携におけるビッグデータの収集、システム開発においては、フィスコグループでFinTech分野に注力するシステム開発子会社である株式会社SJIが参画するという。
昨今、ICTの技術革新とともに、FinTech市場は大きく成長、市場規模は右肩上がりに拡大して行くことが予想され、現在海外では1.5兆円、日本でも100億円規模、潜在市場は100兆円規模とも言われている。金融とITの親和性は高く、技術革新のプラットフォームが整ったことから、ビッグデータ解析などに秀でたベンチャー企業の技術を生かした金融サービスを創出することで差別化を図る企業が増えている。FinTechにより、従来型の多くの金融サービスが迅速・簡便なサービスにとって替わられる可能性がある。
これら事由から3社では互いの強みを活かし、人々の投資、経済行動における意思決定に必要な最適なインテリジェンスを提供するため、FinTech分野で業務提携を行い、その一環としてクラウド型人工知能金融市況サービスにむけた研究・開発に着手した。従来、株式の調査や売買システムはアナリストによる地道な作業、単一アルゴリズムによる柔軟性の乏しいシステムが主なものだった。この問題を打開すべく、アナリストの調査を飛躍的に増加させることと、柔軟性の高いアルゴリズムに重点を置いて研究開発を進めていく。フィスコでは先行して、経験豊富なトップクラスのアナリストが集結し、多くのロジック構築をスタートさせている。
サービス提供にあたって、投資家と企業IRをつなぐ独自のプラットフォーム構築を目指す。フィスコの迅速かつ正確な情報の分析力・編集力・配信力を中核とする資産とTDSEの豊富なデータ解析技術によるシナジー効果を出すことで、両社は市場の拡大に沿った売上拡大を図るべく、ビジネスを展開していく予定だという。
※1: Scorobo(スコロボ)
TDSEが構築した独自アルゴリズム搭載の人工知能(AI)製品である。人やモノの属性データや行動データ(営業活用状況、セミナー・イベント参加情報、顧客の行動など)、実績データ(成約した、登録した、壊れたなどの結果データ)から最適な予測モデルを自動構築。構築したモデルを使ってscoroboスコアを算出するが、スコアの精度はデータが増えれば増えるほど学習機能によりアップする。現在業種・業務毎に応じたOmni-Scoroboを発売し、さらなる展開を計画している。
※2:LaQoo+(現フィスコAI)
銘柄名・銘柄コードの入力だけで、チャートや業績を基に買い時・売り時を自動判定するフィスコが提供しているWEBサービス。株価自動予測システムへのレベルアップを兼ねて7月1日にデザイン一新した。
【関連リンク】
・テクノスデータサイエンス・エンジニアリング(TDSE)
・フィスコ(FISCO)
・SJI
・LaQoo+(現フィスコAI)
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。