TISインテックグループのTIS株式会社と、TISが出資している株式会社エルブズは、公立大学法人公立はこだて未来大学複雑系知能学科 松原研究室(以下 松原研究室)と、「マンガからの対話辞書、シナリオ抽出に関する研究」(以下 「マンガシナリオ生成に関する研究」)および「AIを使った対話における対話破綻検知に関する研究」(以下 「対話破綻検知に関する研究」)の共同研究を開始したことを発表した。
今回の共同研究では、AI関連技術の研究において知見・実績を持つ松原研究室と、自然言語処理の研究実績および実装技術を保有しAIとエンタープライズシステムの連携実用を目指すTIS、「社会性エージェント(Agents of Socialization)」技術(※1)を活用した高齢者向けコミュニケーションツールの実用化を目指すエルブズの3者が共同で研究を行い、AIのインテリジェントな対話の実現に必要な要素である「対話シナリオの生成」と「対話破綻の事前検知」の実用化を目指すという。
「マンガシナリオ生成に関する研究」では、一般に流通しているマンガやアニメの脚本から、AIの対話辞書・シナリオなどを抽出し、AIによる対話システムに適用することを目指す。これにより、AIの対話の品質に大きな影響を及ぼす対話辞書・シナリオを比較的低コストかつ大量に生成することを目指しという。
「対話破綻検知に関する研究」では、人間と比較してまだスムーズではないAIとの対話における破綻の要因を事前に検知する手法を研究することで、AIと人間のスムーズな対話の実現を目指す。
「マンガからの対話辞書、シナリオ抽出に関する研究」
・研究目的:
AIによる対話システムは、その特性上、対話辞書、シナリオの作成が必要であり、その精度は最終的な対話の品質に大きな影響を及ぼす。また独自の対話辞書、シナリオを新規作成することは多額なコストが発生する。同研究では、一般に流通しているマンガまたはアニメの脚本から、対話辞書、シナリオなどを抽出、AIによる対話システムに適用することを目指す。同研究によって比較的低コストで、高品質な対話辞書、シナリオの作成が可能となり大量生産の実現を目指すという。
・研究期間:2016年7月~2017年3月
「AIを使った対話における対話破綻検知に関する研究」
・研究目的:
AIによる対話システムは、企業の顧客サポートなど広く普及する可能性が示唆されている。一方で、人間と比較した場合、対話の破綻は顕著で、実用化までに多くの課題を抱えている。同研究では、対話破綻を事前に検知することによって、よりスムーズな人間らしい対話のための手法について、研究を行う。
・研究期間:2016年7月~2017年3月
※1「Agents of Socialization(社会性エージェント)」技術:AIが社会に存在する具体的なアクターの代理人(エージェント)として、利用者と対話を行う基盤技術。IoTや機械学習、自然言語処理といったさまざまな要素技術を包含している。
【関連リンク】
・ティーアイエス(TIS)
・エルブズ(Elvez)
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。