AlpacaDB, Inc.(以下「Alpaca」)は、これまで提供していたディープラーニングで投資アルゴリズムを作成できるWebサービス「Capitalico(キャピタリコ)」のアルゴリズム設計に関する機能を大幅に強化し、「AlpacaAlgo(アルパカアルゴ)」として大幅なバージョンアップを行った。また、2016年3月のリリース以降6ヶ月間で、本サービスで作成されたアルゴリズムの累計が一万個に到達している。
[media id=’31459′] アルパカアルゴの新設計の投資アルゴリズムデザイン画面アルパカアルゴは、これまでのキャピタリコと同じようにディープラーニングを利用してチャートパターンを認識するAIを作成し、それを投資アルゴリズムとして利用することで、ユーザーのトレードアイデアをそのまま投資アルゴリズムにすることができるウェブサービスである。アルパカアルゴはそれらの機能を維持したまま、新たに以下の三つの特徴を備えたサービスとなっている。
新設計のディープラーニングを投入し、学習時間を従来の10分から15秒程度に短縮
[media id=’31461′] 従来のキャピタリコでは、ユーザーがトレードアイデアを表現するパターンをチャート上から選択してアルゴリズムの作成を行った場合、ディープラーニングの学習が開始されてから利用可能となるまでに約10分程度の時間がかかっていた。一回の試行で10分が必要なため、新しいパターンを追加したり、設定を変更したりして、利益を追求する試行錯誤を気軽に行うことができなかった。
アルパカアルゴでは、これまで利用していたディープラーニング・エンジンの設計を大幅に見直したことで従来の約50倍のスピードを達成し、ディープラーニングの学習からエグジット戦略の最適化、バックテストまでの全プロセスを15秒程度で完了できるようになったという。
Alpacaは、アルパカアルゴのユーザーが気軽にAIを改良して、様々な試行錯誤を行い利益を追求するプロセスこそが、Alpacaの目標である「AIがプロフェッショナルをエンパワーメントすること」、そのものであると考えており、今回のディープラーニング・エンジンの改良でそれを達成することを期待されている。
人間がAIを設計するための中核となる「バージョン管理機能」を追加
アルパカアルゴでは、ユーザーが様々な試行錯誤を行ってトレードアイデアを利益がでる投資アルゴリズムにするための、様々な機能を備えている。そのプロセスを支える中核となるものが、新たにサポートされたバージョン管理機能、「アルゴリズムをひとつ前の状態に戻す」ボタンだ。
[media id=’31462′] アイデアとしては単純なものである。自分の投資アルゴリズムを改善するために、ユーザーは、選択するチャートのパターンを変更したり、パラメータを変更したりなど様々な試行錯誤が行われる。しかし、ディープラーニングを利用してAIがどのように学習するか、どのようなチャートパターンが利益に繋がるかを発見することは簡単ではない。そのため、何かの操作を行った結果アルゴリズムのパフォーマンスが悪くなったときに、すぐに操作を取り消すことができることが重要と考え、「1つ前に戻る」ボタンがサポートされている。Alpacaは、今回の「バージョン管理機能」の追加により、利益のでるアルゴリズムを設計するための試行錯誤のプロセスが改善されると考えている。
ポートフォリオ機能で様々なアルゴリズムを組み合わせることで、ポートフォリオ全体としての利益を追求可能に
新たにポートフォリオ機能を追加することで、複数のアルゴリズムを組み合わせた上での、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを改善していくことが可能になった。
バックテストで利益が出るアルゴリズムであったとしても、それがライブのマーケットに対しても利益を出せるものであるかは分からない。アルパカアルゴのポートフォリオ機能は、ライブのマーケットにおけるデモトレード環境をユーザーに提供する機能である。ユーザーは、作成したアルゴリズムをライブのマーケットに対して走らせることで、実際のパフォーマンスを確認することができる。
本ポートフォリオ機能におけるもう一つの重要な要素は、複数個の様々な特性を持つアルゴリズムを組み合わせて、一つのポートフォリオとして走らせるものだ。また、ユーザーは、ポートフォリオを複数個作ることができるので、色々な試行錯誤が可能である。Alpacaは、複数のアルゴリズムを組み合わせることで、単一のアルゴリズムのパフォーマンスを改善できる可能性があると考えている。
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