NVIDIAは本日9月13日、自動車メーカー向けに手のひらサイズでエネルギー効率の高い人工知能(AI)コンピュータを発表した。同製品は、運転とマッピングの自動化に対応する自律走行車に搭載可能だ。
この新しいシングル・プロセッサ構成のNVIDIA® DRIVE™ PX 2 AIコンピューティング・プラットフォームは、高速道路での自動運転やHDマッピングを含むオートクルーズ機能に対応しており、自動車でディープ・ニューラル・ネットワークを使用して複数のカメラとセンサーからのデータをわずか10ワットの消費電力で処理できる。同製品は、中国のBaidu(百度)に自動運転のCloud-to-Carシステム用の車載コンピュータとして採用されるという。
DRIVE PX 2により、自動車メーカーとTier 1サプライヤは、自律走行する自動化車両の生産を促進できる。小型フォーム・ファクタのDRIVE PX 2を自動車のオートクルーズに使用すれば、周囲で起こっていることをリアルタイムで理解し、HDマップ上での現在位置を正確に把握して、安全な進路を計画できるという。
自律走行車を開発している80社を超える自動車メーカー、Tier 1サプライヤ、新興企業、研究機関が、DRIVE PXを採用しているという。DRIVE PX 2のアーキテクチャは、単一モバイル・プロセッサ構成から、2個のモバイル・プロセッサと2個のディスクリート(外付け)GPUを組み合わせた構成、さらに複数のDRIVE PX 2からなる構成に対応。この拡張性により、自動車メーカーとTier 1サプライヤは、高速道路のオートクルーズから、自動ショーファーによる2地点間走行、さらに完全な自律走行車に至るまで、幅広い自動運転ソリューションを開発から生産へ移すことができるという。
NVIDIA DRIVE PXは、NVIDIAの幅広いAIコンピューティング・ソリューション・ファミリーに含まれる。このため、データセンター内のNVIDIA DGX-1™上でディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニングを行っているデータ・サイエンティストは、車内のNVIDIA DRIVE PX 2もシームレスに操作できる。データセンターで稼働しているものと同じNVIDIA DriveWorksアルゴリズム、ライブラリ、およびツールが車内でも動作する。
このエンドツーエンドのアプローチにより、NVIDIAの統一AIアーキテクチャが活用され、また無線でのアップデートにより、自動車に新しい機能や能力をライフサイクル全体にわたって追加し続けることができる。
NVIDIA DRIVE PX 2は、同社の最新システムオンチップによって動作し、NVIDIA Pascal™ アーキテクチャをベースとするGPUを搭載している。単一のNVIDIA Parkerシステムオンチップ(SoC)構成で、複数のカメラからの入力に加え、ライダー、レーダー、および超音波センサーからの入力を処理できる。また、イーサネット、CAN、Flexrayなどの自動車入出力をサポートする。
新しいシングル・プロセッサのDRIVE PX 2は、2016年第4四半期に生産パートナーに供給される。DriveWorksソフトウェアと、2個のSoCおよび2個のディスクリート(外付け)GPUからなる構成のDRIVE PX 2は、自律走行車を開発しているデベロッパに本日9月13日から供給される。
【関連リンク】
・エヌビディア(NVIDIA)
・バイドゥ(Baidu/百度)
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