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NTTデータグループのリアライズ、AIで企業が持つ法人顧客リストを最適化する「Data-Master」トライアル運用を開始

NTTデータグループのデータマネジメント専門会社である株式会社リアライズは、企業が持つ法人顧客リストを、人工知能(AI)を用いて最適化する「Data-Master™(データマスター)」のプロトタイプシステムを株式会社NTTデータの技術支援を受け開発した。

同システムは、AI技術とリアライズが持つシソーラス(注1)のナレッジを融合したもので、日本語の顧客リストのクリーニングおよびマッチング処理をAI技術の活用により自動化するもの。同システムによるサービス提供が実現することで、企業で部門ごとに管理されているデータや、正式名称と略称、入力ミスなど、これまで人間が目視で個々に判断し修正する必要のあった重複データの識別や統合処理を、自動かつ高速に行うことが可能になるという。

企業が持つ顧客(取引先)データは、マーケティングや取引を行う上で欠かせない重要な情報だ。顧客とのコンタクトには、Webやメールを利用したマーケティング・オートメーション(MA)(注2)の利用やカスタマー・ジャーニー(注3)を適切に活用した正しい顧客リストが必要となる。しかし、Webや名刺などから集めた顧客リストには入力ミスや入力漏れなども多く、顧客リストを一意に特定し結び付けるのが容易ではなかったり、マーケティング、営業、購買等の部門ごとに分散し、バラバラに管理されていることが多くある。

このようなことから一般的に、新規に取得した顧客リストの4割以上は重複を排除するなどして、クリーンな状態にしなければ使えないと言われており、さまざまな顧客接点や手段を通じて入手した顧客リストを常に正しい状態に保つためには多大な手間とコストがかかるという課題があった。

今回リアライズは、顧客リスト管理における課題を解決するため、リアライズのシソーラスと、AIに対して正解(教師)データを与えて育てるノウハウを組み合わせることで、人間が目で見て1つ1つ判断するようなマッチング処理を自動的かつ高速に行うシステムのプロトタイプを開発し、トライアル運用を開始する。

トライアルが開始される「Data-Master」は、企業の保有する法人顧客リストを預かり、重複データを精査し統合するなど、データを最適化するサービス。

入力ミスや部門ごとに管理されることで、同じ顧客企業でありながら別のコードで登録されたことによる重複、正式名称と略称の表記揺れに起因する重複、本社や支社・部署等により別データとされた重複等、さまざまなデータの重複パターンをAI技術とシソーラスを用いて、データを識別し、修正・統合する。また、「Data-Master」のシソーラスは、利用者が増えれば増えるほどデータが蓄積され、学習スピードと辞書の精度が高くなり、マッチ率がさらに向上していくという。

「Data-Master 01(データマスター・ゼロワン)基本サービス」のサービス利用料金については、トライアルによる検証期間を経て、サービス提供時までに正式決定を行う予定だという。「マッチング件数1件あたり50円程度(リスト件数が月間5,000件を超えない場合の利用を想定)」といった低廉な料金体系、利用企業のリスト件数の増加に応じて、マッチング件数あたりの単価をディスカウントする料金体系を検討するという。

今後はまず、基本サービスとなる「Data-Master01」について、本日10月19日よりトライアルを開始、NTTデータグループ会社を中心に導入効果の検証検証を行い、2017年1月以降の本格提供を目指すという。

なお、「Data-Master 01」リリース後に、マーケターや営業企画のニーズに応えるために、「02:部門カテゴリー自動付与サービス」「03:業種カテゴリー自動付与サービス」などの新サービスを追加し、Data-Masterシリーズの付加価値をさらに向上させていく予定。さらに、「Data-Master 01」は顧客のニーズに応じて、今後MA、SFA(注4)、顧客管理システム(CRM)等のソリューションやEAI(注5)ツールとのAPI連携など、システム間データ自動連携機能の追加を検討していくという。

(注1)シソーラスとは、言葉や単語を同義語や意味上の類似関係、包含関係などによって分類した辞書、あるいはデータベースのこと。例えば、『日本』を表す表現として「日本」の他にも、「大和」、「倭」、「Japan」、「JPN」、「Nippon」など複数の表現があるが、シソーラスにこれらの言葉が登録されていれば、「Japan」と検索した場合でも「日本」をキーワードとした文書を検索することができる。逆に、シソーラスの処理が介在していないと、意味は同じ「日本」でも「Nippon」と表記している文書は検索から漏れてしまう。法人や個人なども同様に誤った情報の入力や欠落などによって、正しい情報と乖離するケースが生じてしまう。
(注2)マーケティング・オートメーション(Marketing Automation)とは、興味・関心や行動が異なる個別な顧客との個別なコミュニケーションを行うデジタルマーケティングにおいて、その煩雑な業務を自動化するために開発されたツールや仕組みを指す。「MA」と略される。
(注3)カスタマー・ジャーニー(Customer Journey)とは、顧客がどのように商品やブランドとの接点を持って認知し、関心を持ち、購入や登録に至るのか、というプロセスを旅に例えた言葉。カスタマー・ジャーニーを可視化して分析することで、マーケティング活動の最適化を図ることが重要とされている。
(注4)SFAとは、営業支援システム(Sales Force Automation)の略で、営業案件などの管理を行うためのシステム。
(注5)EAIツールとはEAI(Enterprise Application Integration)の略で、異なるシステム間のデータやプロセスを統合する手法やツールを示し、各システム間のシステム連携の仕組みとして、変換・統合などの各種機能で構成されているもの。

【関連リンク】
NTTデータ(NTT DATA)
リアライズ(Realize)

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