マイクロソフトの統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」において、2015年12月に大幅に機能が強化された「Office 365 Enterprise E5」という新しいプランが提供開始された。このE5に搭載された新しい機能に、MyAnalytics(旧 Delve Analytics)やOffice Delveがある。
- MyAnalytics:ユーザー個人の働き方を可視化し気づきを与えてくれるパーソナルエージェント
- Office Delve:機械学習技術を活用してそれぞれのユーザーに関連性の高いコンテンツやインサイトを提供してくれるインテリジェントツール
現在、残業時間の上限設定など、働く時間を見直す動きが加速している。しかし時間を削減するだけでは、日本企業のビジネスの成長は実現できない。働き方の「量」だけではなく、より成果をだすための「質」の改善を図ることが同時に必要となってくる。そのためにはまず自分たちの働き方を見える化して振り返り、改善していくことが必要だ。マイクロソフトは、これまでの働き方改革の経験とテクノロジーを生かして、働き方を振り返るきっかけを提供し、「質」を改善していく支援をしていく。
「時間の使い方」と「コラボレーション」に関する気づきを与えてくれる MyAnalytics
「MyAnalytics」は、Office 365上に蓄積されたワークスタイルビッグデータをAIテクノロジーの活用により分析し、ユーザー個人の働き方を可視化し気づきを与えてくれるパーソナルエージェント。「MyAnalytics」の活用により、日々の仕事を客観的なデータで把握できるようになることで、より重要なタスク・関連性の高いメンバーとの協働を促進し働き方の質の向上を実現できるという。
- 作業時間の可視化
1週間の仕事をどのように時間配分して進められていたか、このダッシュボードで総合的に振り返ることができる。今週は会議が多く集中した作業時間がとれなかったので、来週は自分の予定を予めブロックすることで重要なタスクに集中する、といった改善を継続的に進めることが可能になる。
- AIによる働き方の質向上を実現するためのアドバイス
自分では意識できていなかった仕事の改善案が見えてくるという。特に、メンバーとのコラボレーション状況を分析して、チーム全体に関係する働き方の質向上についてのアドバイスをしてくれる。深夜のメール送信を翌朝に行うように変更する、メンバーとの作業分担を進めて効率化する、といった改善を進めることが可能になる。
- 会議の質を可視化
会議時間の増減に加え、会議の質(傾向)の可視化により、生産的な会議を行えているか振り返ることができる。会議中の内職(多重タスク処理)が多かった場合、事前に会議のアジェンダ・目的を明確にするよう徹底して会議時間を削減したり、定例会議が多く全員の時間が必要以上にとられてしまっている場合は会議体の在り方を見直すよう部長に提言して必須参加会議を削減したりするといったことが可能になる。
- コラボレーションの可視化
日々のメンバーとのコラボレーション状況が把握できるため、他部門との関わりは多くあるが実際は毎回同じような人とやりとりしていた、といったことに気づくことができる。そこで海外にいるメンバーや社外パートナーとも積極的にコミュニケーションをとるように意識することで、最先端の情報を入手できるようになり企画の新規性・クオリティが向上するといったことが可能になる。
- メール作業の可視化
メールに費やした時間だけでなく、相手に送ったメールの既読率まで把握することが出来る。実は一方的にメールを送っただけで仕事がとまってしまっていた場合、その内容に応じて短時間の対面会議を設定したり、Skype会議やチャットによるコミュニケーションをしたり、 SNS(Yammer) などを有効活用することにより、必要な人に必要な情報を共有できるようになり、方針を合わせて効率的に仕事を進めるといったことが可能になる。
自分が気付かなかった有益な情報・コラボレーションすべき相手を教えてくれる Office Delve
Delveは、機械学習技術を活用してそれぞれのユーザーに関連性の高いコンテンツやインサイトを提供してくれるインテリジェントなツール。Delveを活用すると、社内のメンバーそれぞれが蓄積している貴重な情報を全員で共有し、自分が必要としている情報だけでなく、必要としていることに気付いていなかった情報にも簡単にアクセスでき仕事の質を向上することが可能になる。
今後、マイクロソフトの働き方AIは更に進化していくという。チーム単位で時間の使い方とコラボレーション状況を可視化してくれるGroup Analyticsの機能が2017年春頃MyAnalyticsにアップデートされる予定。さらに、CRMやHRシステムといった社内の他システムとの連携が可能になりカスタマイズされた組織横断の分析が可能になるWorkplace Analyticsが2017年夏頃提供開始となる予定だ。
【関連リンク】
・マイクロソフト(Microsoft)
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