株式会社スカイディスクは、機械学習を活用したAI (人工知能)分析 「SkyAI(スカイエーアイ)」 のサービスを単体で提供開始する。これにより、機械の故障予測や異常発生時の迅速な把握などが可能になり、工場や製造現場の生産ライン、ビル・マンションなどのインフラの老朽化保全などで効率的な業務遂行、コストの削減に繋がる。
同社はこれまで、センサデバイス開発から通信技術、クラウドサービス、AI分析まで、IoT機器を利用しセンサから取得したデータを分析、業務に活用するサービスをワンストップで提供してきた。今回はその中で、今までのIoT事業で培った知見を活かし、AI分析のみを切り出し提供するという。
現在すでに「SkyAI」が活用されている分野の一つに、電力供給施設での設備機器保全予兆がある。
- 「振動」と「音」のデータをセンサデバイスで収集し、モーターやポンプなどの設備機器の通常稼働状況をデータ化
- 時系列解析(波形解析や周波数解析)によってAI用学習データである整形データに変換
- モーターベアリングの異常など、故障の予兆となる変化を検知するAI実運用モデルを生成
- データを蓄積することで、異常の原因となる油切れやすべり軸受の傷といった具体的な内容を検知
「SkyAI」はこのような分析体制を簡単に構築できる。また継続して利用することで故障の予兆検知の精度を向上させられるので、今まで一箇所の故障に対応するために数時間の損失があったところを、最短数分に短縮し、損失を最小限に抑えることができるとしている。

図1のように、「SkyAI」は、あらゆるセンサで収集したデータから、AI学習モデルを生成し、正常異常判定や予測などの結果をわかりやすく表示することができる。
まず既存のデータやセンサデバイスで収集した時系列データを生データとして用意。次に整形プログラム(フーリエ変換やZ変換)によって、AI用学習データである整形データに変換、その後パラメーターのチューニングやデータの見直しをし、AI実運用モデルを完成させる。そして新しいデータを入力していくことで、正常異常判定や予測などの結果が得られるようになるという。
同社では、生データを整形する際、時系列解析に強みを持つ整形プログラム(フーリエ変換(FFT)、自己相関解析、時系列モデル)を用いる。また、これまでの実証実験(PoC)で作成した学習モデルがすでにあるため、より精度の高い正常異常判定や予測を得ることができる。さらに、学習モデルを作成するために、すでにある生データだけでは不足している場合には、必要なセンサの提案も行うという。
「IoT スターターキット(LoRa model)」は、IoTの実現を簡単にスピーディーに提供するためのワンストップソリューション。このスターターキットだけですぐにセンサを使ったIoTソリューションを構築できる。10種類から選択できるセンサデバイスからデータを取得、クラウドで集積されたデータを分析し、その情報を可視化するまでパッケージ化されているため、リードタイムも短く、安価にIoTが始められるという。
センサデバイスは、温度・速度・GPSなどの10種類から3種類を選んで装着できる、着脱可能なloTセンサデバイス「SkyLogger」を使用。着脱式のため多分野への応用が容易で、10種類のラインナップ内であれば開発費がかからず実証実験を実施でき、一から構築すると数ヶ月かかるリードタイムを数日に短縮して提供することが可能。

各センサデバイスでセンシングしたデータは、「LoRaWAN」に準拠したLoRa ゲートウェイ「SkyGate」を通じてクラウドサーバーに送られる。同ゲートウェイ1台で鉄筋のビル一棟や広大な農園をカバーすることが可能。
AI分析「SkyAI」は、クラウドサーバー上に蓄積したデータから、AI学習モデルを生成し、正常異常判定や予測などの結果をわかりやすく表示することができる。さらに、農業、物流、保全、環境といった分野ごとに情報の可視化を行うアプリケーションも提供し、安価でスピーディーなIoTプラットフォームを実現するとしている。
商品名:IoT スターターキット(LoRa model)
販売価格:30万円より
内訳:
・ センサデバイス「SkyLogger」
・ Skydisc LoRa ゲートウェイ SD-GW01(屋外用)、SD-GW11(屋内用)
・ AI(分析クラウド)「SkyAI」
・ データ可視化ダッシュボードアプリケーション
・ LoRaを使ったIoTコンサルティング
・ セットアップ
レンタル期間:2週間〜(センサデバイス、LoRaゲートウェイはレンタル)
【関連リンク】
・スカイディスク(Skydisc)
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