この記事はNVIDIAのブログ記事で発表された内容である。
NVIDIAは、SAPとNVIDIAが連携し、企業のAI利用を支援することを発表した。NVIDIAのAIコンピューティングプラットフォームの強みと、SAPの企業向けソフトウェアにおけるリーダーシップを融合するという。
SAPは、GPUからシステム、ソフトウェアに至るまで、NVIDIAが生み出してきた技術を活用している。NVIDIAのTesla GPUコンピューティングプラットフォームは、20億ドルの投資に相当。1年余り前に発表され、8基のGPUを内蔵するNVIDIA DGX-1は、ハードウェアとソフトウェアを統合したスーパーコンピューターであり、十数組を超えるエンジニアリングチームによる取り組みの成果であるという。
今度はDGX-1が、NVIDIAディープラーニングSDKにより最適化されたディープラーニングの主要なフレームワークなど、統合された一連のソフトウェアをまとめるとしている。
以下は、SAPと同社のコラボレーションによる3つの事例である。
- ブランドインパクトのROIを測定
ブランドの多くは、テレビで放映されるイベントのスポンサーになることに依存しているが、イベント広告がどう影響したかを追跡するのは困難だ。現在の手作業のプロセスでは、業界は、ブランドインパクトの費用対効果をレポートするのに最大6週間、ブランドのマーケティング費用を調整するのに3カ月を要するという。SAP Brand Impactは、NVIDIAのディープラーニングを活用し、ロゴなど、ブランドの属性をほぼリアルタイムかつ人間には不可能な精度で測定するという。この測定は、NVIDIA DGX-1においてトレーニングされたディープニューラルネットワークと、ビデオ推論分析を提供するTensorRTの利用により実現されている。結果は即時、正確、精査可能で、その日のうちに提供されるという。
長年にわたりSAPを利用しているAudiでは、NVIDIAディープラーニングを活用した最新のSAPソリューションを早期に利用できるようになったと、Audiのスポーツマーケティング担当グローバル責任者のトーマス・グラス (Thomas Glas) 氏は説明する。
- Accounts Payableの将来
一般的な製造業の大手企業は、年間800万もの請求書を処理する。世界中の企業は、依然として紙の請求書を受け取っており、手作業で処理する必要があるという。このような手作業の処理は、コストと時間を要し、反復作業が多いため誤りが発生しがちだ。SAPは、Accounts Payableアプリケーションをトレーニングするのにディープラーニングを利用した。このアプリケーションは、人間が介入することなく、適切な情報を請求書から自動的に抽出し、分類。再帰型ニューラルネットワークがNVIDIA GPU上でトレーニングされ、このようなカスタマイズされたソリューションを生み出したという。記録は 1 秒もかかることなく処理され、キャッシュフローを加速し、誤りを削減するとしている。
- 顧客満足へのチケット
企業の81%が、顧客体験を競争の差別化要因として認識しているが、それならばなぜ13%の企業しか自社のカスタマーサービスを10点中9点以上と評価しないのだろうか。企業は、顧客の苦情に対応するのに精一杯で、限られたリソースで問題に対応している。NVIDIA GPUプラットフォーム上で自然言語処理とディープラーニングテクノロジーを利用するSAP Service Ticketingアプリケーションは、企業が非構造化データを分析し、自動化ルールを作成して適切な人物へのサービスチケットを分類し、発送するのに役立つという。その結果は、より迅速な対応と顧客体験の向上となって表れているとしている。
提供:NVIDIA
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