株式会社クリーク・アンド・リバー社は、東芝デジタルソリューションズ株式会社と、東芝コミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)※1」を活用した製品やサービスについて、共同で事業を企画・推進する戦略的な協業関係を構築することに合意し、契約を締結した。
最初の取り組みとして、「RECAIUS」の音声合成技術を活用した「声」のプラットフォーム 「コエステーション(※2)」を、ゲームや電子書籍、アニメーションやTVなどのエンターテインメント分野で幅広く活用されるよう、同社が声優やタレントなどの声を収集し、3,000社以上のメディア関連などのクライアント企業での活用を働きかけていくという。
「コエステーション」は、“声を活用してもらいたい人”と“使用したいユーザー”をつなぐ、ネットワーク上のプラットフォームで、今回β版が開発・リリースされ、本年中の事業化を目指している。スマートフォンのアプリケーションなどで、ユーザーが指定の文章を読み上げて自分の声を登録すると、その特徴が自動的に学習され、声の分身=「コエ」を生成。ユーザーはその「コエ」を使って、SNSやゲームなどで、任意のテキストを喋らせることができるという。また「コエステーション」に登録されている声優などの好みの声を使い、ユーザーは音声コミュニケーションに幅を持たせることが可能になったという。
これによって声優などの声主は、録音では対応しきれない、ゲームキャラクターに個別プレーヤーの名前を呼ばせるといった 「コエ」の活用ができ、新たなビジネス機会の創出につながる。一方、アニメーション制作会社などの企業では、プラットフォーム上の膨大な「コエ」から最適なものをコンテンツ制作に活用できるほか、「コエステーション」の提供する音声合成API(※3)や組込みミドルウェア(※4)を使った、「コエ」を活用した新サービスを展開することも可能だという。
同社は「コエ」の流通を進めるにあたり、声主の権利保護と、適切な利用の仕組み構築や犯罪対策など、「コエステーション」を安全・快適に活用するため、東芝デジタルソリューションズと共に、事業化に向けた課題に対応していくと発表した。

※1 東芝コミュニケーションAI「 RECAIUS(リカイアス)」:音声や映像から人の意図を理解しビジネスと生活の安心・快適な活動をサポートするコミュニケーションAI。東芝が長年にわたり研究開発してきた、音声認識、音声合成、翻訳、対話、意図理解、画像認識(顔・人物画像認識)などのメディア知識処理技術(メディアインテリジェンス技術)を融合し体系化。
※2 「コエステーション」:東芝が提供するコミュニケーションAI「RECAIUS」の音声合成技術を活用した、ネットワーク上の「声」の流通プラットフォーム。2017年中に、スマホなどでの日本語版の提供開始を予定。
※3 API:Application Programming Interfaceの略。ソフトウェアの機能をWeb上などで一部公開して共有することで、他のソフトウェアと機能を共有できるようにしたもの。
※4 ミドルウェア(Middleware):コンピューターの基本制御を行うオペレーティングシステム(OS)と、各業務処理を行うアプリケーションソフトウェアとの中間に位置するソフトウェアで、OSの機能拡張やアプリケーションの共通機能を集め、一つの機能管理パッケージにしたもの。
【関連リンク】
・クリーク・アンド・リバー社(CREEK & RIVER)
・東芝デジタルソリューションズ(Toshiba Digital Solutions)
・RECAIUS(リカイアス)
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