旭酒造と富士通、予測AIを活用した日本酒醸造の実証実験を開始

旭酒造株式会社と富士通株式会社、株式会社富士通研究所は、富士通研究所が開発した日本酒造りを支援するAI予測モデルを用いて、旭酒造が製造・販売する日本酒「獺祭」の醸造を行う共同実証実験を本年4月~6月に実施する。

同AI予測モデルは、日本酒醸造の流れを定義した数理モデルと、「獺祭」の醸造工程において計測される実際のデータを用いた機械学習を組み合わせることで、日本酒醸造工程における最適なプロセスを支援する情報を提供する技術だ。

同実証実験では、実際に「獺祭」の醸造工程においてAI予測モデルを活用することで、日本酒醸造工程におけるAI予測モデルの妥当性やAI予測モデルの精度向上、ならびに日本酒造りにおけるAIの実用化について検証する。

旭酒造と富士通、富士通研究所は、同実証実験を通じて、AIによる醸造工程の作業支援を実現し、高品質かつ均一な「獺祭」の安定供給に継続して取り組んでいくとした。

背景

旭酒造は「酔うため 売るための酒ではなく 味わう酒を求めて」をビジョンに掲げ、従来より品質にこだわり抜いた日本酒造りを目指しているが、今後迎える高齢化社会では、日本酒造りの現場において人手不足が予見され、その結果、「獺祭」の安定した供給・高品質の維持が懸念されており、その課題解決のために、日本酒造りのノウハウの見える化に長年取り組んできたという。

旭酒造は、これまでにも原料となる酒造好適米「山田錦」の安定調達を目的に、2014年4月より富士通の食・農クラウド「Akisai」を契約栽培農家に導入し、酒造好適米の栽培技術の見える化・共有化に取り組んできた。

今回加えて、富士通のAI技術「Fujitsu Human Centric AI Zinrai」を日本酒造りに活用することで、日本酒造りに関わる社員各自の経験や高品質な日本酒造りのノウハウの見える化を行うため、旭酒造と共同で実証実験を開始した。

実証実験の内容

  • 今回の実証実験は、旭酒造の日本酒「獺祭」の醸造工程において行う。醸造する日本酒の成分データなどを旭酒造が計測し、富士通研究所が開発したAI予測モデルを活用して、旭酒造が計測したデータから日本酒醸造工程における最適なプロセスを支援する情報を提供する。
  • 旭酒造は、富士通、富士通研究所から提示した支援情報に基づき、最適な日本酒造りの実現に向けた日本酒醸造を行う。
  • この実証実験を2サイクル行うことにより、AI予測モデルの精度向上と、日本酒造りでのAIの有効性と実用化の検証を行う。

AI予測モデルについて

富士通研究所が開発したAI予測モデルは、旭酒造の過去の醸造に関するデータや生物学的プロセスなどの知見をもとに、日本酒醸造の流れを定義した数理モデル化と、日本酒に含まれる成分の計測値を用いた機械学習を組み合わせることにより、日本酒醸造における最適なプロセスを支援する情報を算出することが可能な技術だ。

【関連リンク】
旭酒造(ASAHISHUZO)
富士通(FUJITSU)
富士通研究所(FUJITSU LABORATORIES)

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