2018上半期のスマートシティのトレンド(後編)

前回に引き続き、上半期のグローバルにおけるスマートシティのトレンドをレポートする。

Deutsch Telekom

Deutsche Telekom はCity Passという無線決済アプリケーションを自治体サービスの支払い方法としてスマートシティへの提供を始めた。

この無線決済アプリケーションは、ApplePayやアリペイといった決済ブランドを付けづに技術提供をしているので、例えば、シェアバイクサービスを始める際、決済手段が必要になるが、こういった際インフラとして利用が可能となるのだ。他にも、プールや図書館の使用料金などの都市サービスに適用例を紹介している。

また、このサービスには、ブロックチェーン技術に基づいたアプリケーションを使って、市民はすべての自治体サービス料金を安全に支払うことができるという。

来年早々、ID書類などの公文書申請もアプリケーション上で可能になるとされている。

City passを普及させるために、City pass登録とともに、自治体からの割引券などを市民に「スターターキット」として提供するとDeutch Telekomは提案している。

ドバイ市の自動運転車への取り組み

ドバイ市はさらなるスマート化を目指し、キューブ形のAutonomous Podという自動運転車のテストを開始した。同自動運転車はアメリカのNext Future Transportation社によって開発され、イタリアで組み立てたモノである。電気で稼働するこの車両の最大時速は80キロだ。

ドバイのRoads and Transport Authority (RTA、道路交通局)はこの自動運転車の開発を進めるため、およそ40万ドルを配分したという。ドバイ政府は2030 Dubai Future Accelerators計画を進めており、交通機関の25%の自動運転車採用を目指している。

この計画の枠組では、自動運転バスや自律航行システムなどが開発中だ。

RTAによると、サービスが開始してから数年間は、Podは事前にプログラムされたルートのみ走るが、最終的にスマートフォンアプリで家からのピックアップを予約できるというサービス提供を目指しているという。一方で、現時点でサービス開始予定日は発表されていない。

AT&TとCiscoのスマートシティプラットフォーム

AT&TはCiscoのKinetic for Citiesという、プラットホームを独自の都市向けソリューションに統合すると発表し、特に多数局やサービスからデータを収集する統合型ダッシュボードSmart Cities Operations Center (スマートシティ運営センター、SCOC)に導入するという。

前回も書いたように、Ciscoの Kinetic for Citiesはクラウド上のプラットホームであり、コネクテッドデバイスからデータを抽出と計算し、IoTアプリケーションに移行するものだ。

AT&Tはスマートシティ技術に間する戦略的な同盟を強めており、Cisco、IBM やIntelのような大手の他にベンチャー企業との提携している。

サウジアラビアのスマートビルディングへの取り組み

サウジアラビアも積極的にスマートシティプロジェクトに取り組んでいる。

フランスのOrange Business Services社は世界一高いビルとなる建設中ジッダ・タワーにICTインフラストラクチャーやスマートサービス開発のため、同ビルデベロッパーであるJeddah Economic Companyとコンサルティング契約を結んだ。

この契約で、Orange社はICTインフラストラクチャーのブループリント作成やデザインから、構築と運用段階まで担当するという。タワーには住宅を始め、オフィス、小売業者やエンターテインメント施設、ホテルや観光スポットなどが入る予定だ。同プロジェクトを自己支持性がある環境にやさしいプロジェクトとして実現するため、スマートシティ技術の導入が不可欠だと判断された。ジッダ・タワーの建設は来年から始まる予定だ。

また、サウジアラビアはSaudi Vision 2030(サウジ・ビジョン2030)という経済多様化を目指すプログラムを展開しており、その枠組みで新しい技術の導入やスマートシティに強い興味を示している。

Orange Business Services社は他のサウジアラビアでのスマートシティプロジェクトに関わっている。その中はサウジアラビアで建設中の最大スマートシティプロジェクトであるKing Abdullah Financial Districtというスマートシティ地区だ。

去年、Orange Business Services(OBS)はカタールのスマートシティイニシアティブである、Msheireb Downtown Dohaとスマートサービスの提供契約を結んだ。同プロジェクトはドハ市の伝統的な街で行われているいわゆる再生プロジェクトだ。プロジェクトは住宅、オフィススペース、小売り店舗やホテルを含み、2018年中に完成する予定だ。

このプロジェクトにおいて、OBSはスマートシティ中央制御センター設計を担当する。中央制御センターはセキュリティカメラ、ビルアクセス管理、火災アラーム、外灯、自動廃棄物回収、駐車場や放送システムなどすべてのビルやサービス稼働を管理する。さらに、同社は公共サービス、道案内やオンライン決済サービスというアプリケーションを住民に提供している。

HuaweiとVodafoneのスマートパーキングへの取り組み

中国のファーウェイと英VodafoneはスペインにてNB-IoTスマート駐車ソリューションの商用通信ネットワークを使った初となるテストを実施した。同テスト実施は室内駐車スペースで行われた。

都市政府にとってスマート駐車ソリューションは新しい収益源となり、公共駐車場のランニングコストを削減し、渋滞を緩和すると期待されている。

現在両社は6月に規準化を目指して、作業を続けており、年末までプレサービスのフェーズを目指している。

スマート駐車ソリューションを使うことで、ユーザーは遠隔にリアルタイム駐車場情報を入手し、空スペースの確認や案内サービスを利用できるようになる。

マンチェスター市のスマートシティプラットフォーム

マンチェスター市会は、同市でスマートシティ・イニシアティブのテストを実施するため3社を選んだ。マンチェスターでは、IoTを使ったスマートシティソリューションを目的としている、「CityVerve」というプラットホームが展開されている。CityVerveプラットホームはデータ、システムやヒトを都市規模で繋ぐために開発されたものである。将来に、大手企業、スタートアップやサービスプロバイダーなどが同プラットホームを使い、スマートシティソリューションを開発できるようになる。

このプラットホームをサポートする21社から構成されたコンソーシアムが活動している。

今回のテスト・プロジェクトもCityVerveを通して展開される。

ここで、今回選ばれた3つの会社とソリューションはRetail sensing社の人流や交通量測定ソリューション、Tracsisの人数カウントセンサー、やApadmi社の環境問題を報告するため開発されたアプリケーションだ。

このような人や交通データを将来のインフラストラクチャー計画、都心部管理、イベント計画や人込み行動分析などに使う予定だ。

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