ソラコム、セルラーLPWAのサービスを開始、既存サービスとも統合

昨日、ソラコムは、セルラー通信によるLPWAサービスとして、CAT.M1のサービスを開始した。

LPWAというと、LoRaWANやSigfoxを思い浮かべる人も多いだろう。これらのサービスは、総務省から認可を受けていなくても始められるサービスである一方で、事業者は自力で通信の接続性などを担保する必要がある。

一方、LTEなど皆さんがスマートフォンで普段使われている通信は、ドコモ、KDDI、ソフトバンクといった通信キャリアが認可を受けて行っているサービスで、様々な事業者が接続性などを担保してくれている。

今回、ソラコムがはじめた、CAT.M1の通信というのは、認可された通信キャリが提供できる通信で、LTEのような大きなデータ量を通信するのではなく、IoTのような小さなデータ量を通信することを前提として、省電力な通信ができるサービスなのだ。

ソラコム CAT.M1

KDDIはすでにCAT.M1のサービスを始めているが、出資を受けるソラコムのサービスを使うメリットは、単にこの通信を利用できるということだけでなく、これまで作られてきた様々な機能群の恩恵を得られることがある。

また、LoRaWANやSigfoxですでに提供されている「バイナリーパーサー」という機能をCAT.M1の通信でも利用可能とした。また、このCAT.M1での通信サービスは、「Plan-KM1」というサービス名で利用可能なる。

バイナリーパーサーとは

ソラコム CAT.M1

そもそもLPWA通信では、省電力を担保するために、非常に小さいデータを送信する前提がある。

LoRaWANであれば11byte、Sigfoxでは12byteというサイズだ。

CAT.M1は小さいサイズにするというルールはないものの、その性質上小さいデータの送受信を前提としている。

インターネットの通信の世界では、データは構造的に非常にリッチで、例えば、25.0という数値があるとしたとき、これが温度のデータである、といったラベルも一緒にやり取りされることが多い。

しかし、データを小さくしようとすると、データをバイナリ化(2進数で表現)して、ラベルもなく、何バイト目が何の情報であるかということをもともと知ったうえでデータをやり取りしなければならない。

そこで、サーバにアップロードされてきたセンサーデータ(バイナリデータ)を、サーバ側で人が理解しやすいラベル付きのデータにフォーマット変換する必要がある。これがバイナリーパーサーという機能の役割だ。

LPWA通信ではデータ量を小さくするため、バイナリデータでやりとりすることが一般的だが、通常サーバサイドでは変換する処理を自力でつくらなければならない。一方、SORACOMでは、こういったところも標準でサポートされている。

Plan-KM1のユースケース

このCAT.M1を使った通信サービス、「Plan-KM1」のユースケースについては、アセットトラッキング(デバイスの状態を監視する)、スマートメーター(電気やガスなどのメーター)、環境センシング(農場の状態監視)、死活監視(AEDなどのデバイスが正常に動いているかの管理)、利用状況管理(登山道に置かれた救急箱の利用状態を把握)といったことがあるということだ。

また、一般の乾電池などでも電源供給が可能で、ソーラー発電などの電力を活用することも可能になる。(ただし、電力消費は、通信条件や通信以外の処理の状態にも依存する)

ユースケースの一例として、すでに以前のカンファレンスで、Amazon DashボタンのCAT.M1回線版(SORACOM LTE-M Button powered by AWS)が発表されているが、これを使うとこれまでのWifiを前提としたAmazon Dashボタンでは使うことができなかった様々な場所での利用シーンが創出されるという。

ソラコム CAT.M1

その一例として、塾に通っている子供が、塾に到達したときにこのボタンを押すだけで、親に通知が行くといったケースが紹介された。

ソラコム CAT.M1
ボタンの内部には単三電池が二つ入って動いている

実際、ボタンを押したところ、下の写真のようにLINEに連絡が通知された。

ソラコム CAT.M1

Plan-KM1のサービス内容

このサービスは、以下の価格で利用可能ということだ。

■ 初期費用
• 契約事務手数料1,500 円/回線

■ 通信料金
• 基本料金100 円/月(101回線~ 90 円/月)
 * 準備完了/ 利用開始待ちの時は0 円/月

• データ通信料0.5 円/KB

また、実際に利用したいというときに、リファレンスデバイスも2つ準備されている。

ソラコム CAT.M1

ソラコム CAT.M1

今後、このサービスに対応したデバイスを順次認定していく予定ということだ。

IoTに必要なインフラをすべてそろえる

ソラコム CAT.M1

ソラコムは、これまでも様々な通信に対応する、「Connectivity Agnostic」と、様々なクラウド環境に対応する「Cloud Agnositec」という考え方を実現してきた。

これによって、利用者は、通信からクラウドや自社環境への道筋に関して多くの選択肢を持つことができる。

国内キャリアだけでなく、グローバルSIMを提供することでグローバルでの通信も含め、おおよそIoTの通信として必要な基本機能は網羅されてきたと言える。

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