IBM、AIツールセット9種を業界・業種に合わせて提供開始

IBMは本日、農業、カスタマーサービス、人事、サプライチェーン、製造業、ビル管理、自動車、マーケティング、広告など、複数の業界・業種向けに事前学習済みの新しいWatsonソリューションおよびサービスを発表した。

農業

IBMはこのほど、Watson Decision Platform for Agricultureを全世界で提供開始する。このプラットフォームは天気、IoT化されたトラクターおよび灌漑装置、衛星画像など、多数の経路からデータを収集し、農地に関する包括的で一元化された予測データを、アプリの中で視覚的に提示する。

これにより、個々の農業従事者はより多くの情報に基づいて判断するためのサポートを得て、生産量の向上に役立てることが可能となる。たとえば、AIによる画像認識機能を用いることで、農業従事者はある種の病虫害のタイプや深刻度を特定し、農薬を撒くべき箇所を判断することができる。

また、水の使用量を予測することで、無駄をなくし、費用の節約にも役立てることができる。

カスタマーサービス

カスタマーサービス担当者が顧客からの質問やこみ入った問い合わせに迅速に対応できるよう、IBMはこのほど、Watson Discovery for Salesforceの提供を開始する。このソリューションは、問い合わせを寄せる顧客の依頼に関連する情報をカスタマーサービス担当者にリアルタイムで提供する。

時間のかかるトレーニングは必要なく、Watsonが要求への答えを推測して即座に提示するため、新人でも経験を積んだ担当者と同じように対応することが可能。このソリューションを試験的に利用してきたDeluxe Corporationでは、応答時間の改善と顧客満足度の向上が見られた。今回、このソリューションは全世界で利用可能となる。

人事

IBMの人事部門向けの新AI機能は、現在業績の高い従業員の経歴を分析し、その結果を将来有望な応募者の割り出しに活用できる。これにより、採用のための指標が得られ、採用判断時の偏見も防げる。

不採用訴訟に直面している企業が、より明確な採用根拠を説明し提示するためにも、この機能が役立つ。

マーケティング

マーケティング部門では、AIによって生産性が大きく向上する可能性がある。SaaS ソリューションである Watson Campaign Automation SaaSに組み込まれている新しいIBM Watson Assistant for Marketing機能は、忙しいマーケティング業務をWatsonとのシンプルな対話に置き換えることによってマーケティング担当者を支援できる。

Ingersoll Randは、マーケティング・パフォーマンスをより迅速に把握し、顧客一人ひとりをターゲットとするキャンペーンを作成し、顧客とのロイヤルティとエンゲージメントを高める優れた対話を進めている。

広告

Subwayは、IBMの新しいWEATHERfx Footfall with Watsonを使用して、変化する天候パターンに基づいた広告をデザインした。Watsonを活用した広告キャンペーン中に、Subwayのトラフィックは31%増加。これは、すべての他のターゲティング手法よりもはるかに高い成果だったという。

また、キャンペーンの無駄が53%削減され、Watsonを利用しなければ得られなかった約7,900万インプレッションが獲得された。

製造現場

IBMは、目視と音響による検査能力が必要となる製品検査に関するリソース要件の大幅な軽減において製造現場の従事者を支援するために、特別に開発されたWatsonツールセットをリリースしている。

IoTとAIを組み合わせることにより、製造業者は、エネルギーの無駄、機器の故障、製品品質の問題などの損失領域を特定し、予測して、生産コストを安定化することができる。

不動産およびビル

産業向けIoTとAIを組み合わせたIBM IoT Buildings Insightsは、商業用不動産によって生成される数エクサバイトのデータを解読することができる。これにより、ビル管理者は、そのデータを活用して、エネルギー・コストを削減し、ビル内の利用状況の変化を把握し、さまざまな利用パターンを理解し、対策を整えることができるようになる。

また、不動産オーナーとビル管理者は、天候、過去のパフォーマンス、その他のサード・パーティー・アナリティクスのデータによる洞察を利用して、不動産への投資による利益を最大化することができる。

自動車の製品開発

IBMは、次世代のRequirements ManagementソリューションにAIのパワーを導入。現在、Watsonは、要件の品質を評価し、その品質を改善する方法の指針を示すことが可能。

また、すべての業界の企業が工業規模の成果を挙げることができるように、IBMは、戦略、実装、セキュリティーから、マネージド・サービスと継続的な運用へと企業のIoT変革を促進するサービスを導入している。

サプライ・チェーン

世界中から集まるデータ・フローを扱うサプライ・チェーンの担当者は、自社向けのWatsonを利用して、サプライ・チェーンの様々な側面から監視できる。Watsonは、天候データ、交通情報、さらには規制報告を統合し、グローバルな供給問題の全体像を示すことが可能だ。

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