NECがヒアラブルデバイスの活用領域を拡大、バイタル情報の管理・騒音下でも発話音声をクリアにする技術を開発

NECは、ヒアラブルデバイスの活用領域を拡大するため、これまでの耳音響認証技術、屋内位置測位技術、音響AR技術に加え、人の体調をセンシングする「バイタルセンシング技術」と、騒音下でもクリアな音声を届ける「ノイズキャンセル技術」を新たに開発した。さらに、実証実験用プロトタイプとして、新技術を搭載したネックバンド型ヒアラブルデバイスを新たに開発。また、既存のイヤホン型ヒアラブルデバイスには「ノイズキャンセル技術」を搭載した。

なお、耳音響認証技術はNECの生体認証「Bio-IDiom」(※1)の中核技術の一つだという。

昨今、働き方改革が積極的に推進され、現場で働く人々の安全管理は企業にとって重要な課題となっている。同社は今回開発した「バイタルセンシング技術」、「ノイズキャンセル技術」を利用し、ヒアラブルデバイスから得られる生体情報、活動状態、音声などの多様な情報を活用することで、生活や仕事での様々な活動を妨げることなく、健康管理や業務効率化などの新しいソリューション創出を支援していく。

  1. 個人の体調を常時モニタリングできる「バイタルセンシング技術」
    ヒアラブルデバイスのバイタルセンシング技術は、9軸モーションセンサ(※2)、温度センサ、光学センサの3種類のセンサにより、屋内位置測位や活動量、耳内から温度や脈数など、人のバイタル情報を耳から収集。個人を特定可能なバイタル情報を常時モニタリングできるため、工場、現場作業、車中などでも現場作業員の体調、状況を個々にモニタリングし、熱中症対策や現場環境、業務の改善に活用することができる。
    NECがヒアラブルデバイスの活用領域を拡大、バイタル情報の管理・騒音下でも発話音声をクリアにする技術を開発
  2. 騒音下でもクリアな音声を届ける「ノイズキャンセル技術」
    ヒアラブルデバイスのノイズキャンセル技術は、耳内部/外部に面した2つのマイクを利用して、騒音下でも歪みの少ないクリアな声を人やIT機器に届ける。デバイス装着者の発話音声を、外部の騒音の影響を受けにくい耳内部に面したマイクで取得。発話音声に混入する騒音成分は、耳外部に面したマイクで拾った騒音をフィルタ処理し生成した擬似騒音成分を用いて打ち消すことで、発話音声をクリアにする。

    ノイズキャンセル技術の活用により、工場や工事現場、駅のホーム、ショッピングモールなどの騒音下でも音声による円滑なコミュニケーションや音声UIによる機器への指示、操作や記録などAI/IoTを活用したサービスの実現が可能となる。
    NECがヒアラブルデバイスの活用領域を拡大、バイタル情報の管理・騒音下でも発話音声をクリアにする技術を開発

  3. 実証実験用にネックバンド型ヒアラブルデバイスを開発
    既存のイヤホン型ヒアラブルデバイスに加え、新しく開発された2つの技術を搭載したネックバンド型ヒアラブルデバイスを実証実験用に開発した。現場で長時間利用を可能とする電池の搭載や落下防止にも配慮したデザインを採用し、工場や現場作業など、様々な業種や用途に応じたヒアラブルデバイスの活用が可能となる。
    NECがヒアラブルデバイスの活用領域を拡大、バイタル情報の管理・騒音下でも発話音声をクリアにする技術を開発
  4. ヒアラブルプラットフォームを提供し共創を推進
    耳音響技術による個人認証、温度や脈などのバイタルセンシング、地磁気やPDR(※3)データによる屋内位置測位情報など、ヒアラブルの多様な技術をプラットフォームにまとめ、2019年度に提供開始を予定している。サービス事業者やデバイスベンダー、システム構築事業者などのパートナーとの共創により、工場や現場でヒアラブルデバイスを利用すれば、「誰が」「どこで」「どんな状態か」を継続的に把握ができるため、作業者を特定した上で働き方改革や安全管理などのサービス提供などが可能。ヒアラブルプラットフォームの活用により、多種多様な業界、業種において、さまざまな形でのデータ利活用ビジネスの可能性が広がる。

なお、NECは、ヒアラブルを活用したコンピューティングスタイルの実現と幅広い市場への浸透に向け、多様な技術を組み合わせたヒアラブルプラットフォームの提供(2019年度予定)を目指しており、サービス事業者やデバイスメーカ、システム構築事業者など産業パートナーとの共創や実証実験を進めていくという。

※1 「Bio-IDiom(バイオイディオム)」は、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響など、NECの生体認証の総称。
※2 加速度センサ×3軸、ジャイロセンサ×3軸、地磁気センサ×3軸を搭載
※3 歩行者自律航法(Pedestrian Dead Reckoning): スマートフォンやヒアラブルデバイスが備えている加速度、磁気、角速度などのセンサ機能を活用し、自分の移動方向と移動量を推定する技術。

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