日立、IoT機器に実装できる名刺サイズのCMOSアニーリングマシンを開発

IoT機器の普及に伴い、産業や生活の多くの場面で必要となるデータ処理を、その場でリアルタイムに行う、すなわちデータをエッジ処理できることが求められ、同分野においてCMOSアニーリングマシンの活用が期待されている。CMOSアニーリングマシンとは、実社会における複雑な課題の大部分である組合せ最適化問題を解くために、株式会社日立製作所(以下、日立)が開発している新型コンピュータだ。

しかしながら、CMOSアニーリングマシンをIoT機器に実装してデータをエッジ処理する場合、従来のマシンでは、サイズが大きいことや複数のチップにまたがって最適化問題の計算を行う際に高速処理が困難となること、エネルギー効率を十分に高められないことという課題があった。

日立は今回、実社会の複雑な問題を解くためのCMOSアニーリングマシンを名刺サイズへ高集積化するとともに高速化を図り、さらにエネルギー効率を高めたと発表した。

今回開発された名刺サイズのCMOSアニーリングマシンは、約6万パラメータの組合せ最適化問題の計算を従来型コンピュータの約2万倍高速で行うことが可能であり、エネルギー効率を約17万倍に向上したという。同マシンは、組合せ最適化問題の計算をスマートフォン、カメラ、センサなどのIoT機器でリアルタイムに行うエッジ処理への適用可能性を見据えたものである。

開発された技術の特長は以下のとおりだ。

  1. 集積化を実現する回路技術
    CMOSアニーリングマシンの演算回路の数を削減し、メモリセルの集積度を従来の1.5倍に高め、1チップ30,976パラメータほどの高集積を実現。
  2. 高速計算を可能とするチップ間接続技術
    半導体チップの端部に、別チップのパラメータの値をコピーするための補助領域を設け、パラメータグループを計算する間に、次のパラメータグループのコピーを完了できるチップ間接続技術を開発したことにより、高速計算が可能。

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