NEC、自動運転の安全性向上に向けた「適応ネットワーク制御技術」の実証実験を実施

昨今、IoTの普及に伴い、モバイルネットワークでリアルタイムの通信制御を行う自動車、工場・倉庫内の搬送車、警備用ロボット、検査・宅配用ドローンなどの自動運転技術の開発が進められている。自動運転では、見通しの効かない場所にいる人間や物体との衝突を回避するため、複数の車両や街頭カメラなどのIoTデバイス間で位置や画像などの情報をリアルタイムに共有し、車両を制御する技術が求められている。

しかし、既存のモバイルネットワークでは、基地局に接続するデバイスの数や通信のデータ量が増えて無線リソースが不足すると、車両制御に遅延が発生し、円滑・安全な自動運転が困難になっている。

このような中、日本電気株式会社(以下、NEC)は、モバイルネットワークでリアルタイムの通信制御が求められるサービスの実現に向けて、緊急度の高い車両に無線リソース(周波数帯域や通信時間)を割り当てる「適応ネットワーク制御技術」を同社のMECサーバ及び基地局に実装し、自動運転の安全性を向上する実証実験を行った。

実験では、電波暗室内に模擬した環境を整えて行われ、車両の位置情報や道路の周囲を撮影するカメラ画像などの分析結果を基に、MECサーバ上で動作するContext-aware Service Controller(以下、CSC)の要求に応じて、LTE基地局が緊急度の高い車両へ優先的に無線リソースを割り当てることで、安全運転支援に必要な通信遅延時間100ミリ秒以内になる確率を99%という安定的な確率で実現できることが確認された(※)。

NECは同実証実験の成果を踏まえ、同技術を自動運転をはじめ、リアルタイムな通信制御が求められる様々なIoTサービスに適用していく。今後、同技術の5G対応に向けて開発を進め、より多くのデバイスへの接続、さらなる低遅延を実現するサービスへの適用も目指す。

※ モバイルネットワークの標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)が、自動車向けネットワークの要件として、「安全運転支援サービスに求められる通信遅延は95%以上の確率で100ミリ秒以内」と掲げている。

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