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逆転の発想で観光客をいろんな場所に導け ー宮島 Digitalization Hack2019 レポート2

先日、世界遺産の嚴島神社を擁する宮島のデジタライゼーションをテーマとし、観光など島内の様々な課題に対して、デジタルを活用して解決案を創出するハッカソンイベントが行われた。

レポートの第二弾は、ハッカソンで生まれたアイデアの発表だ。

観光地宮島の課題をハッカソンで解決 ー宮島 Digitalization Hack2019 レポート1
審査員の皆さん、手前より、大聖院 副住職 吉田大裕氏、広島県 商工労働局 岡村清氏、広島県廿日市市 支所長の野村良哉氏、NTT西日本 有若和昭氏、ウフルCIO 八子知礼氏

優勝したのは、逆転の発想で観光客をいろんな場所に導くサービスなのだが、これはどういうサービスだろう。

フェリーに乗って本州から宮島に訪れた観光客は、歩いて15分程度のところにある嚴島神社に来て、写真撮影などを楽しんだらすぐにまたフェリーで戻ってしまうという課題があるという。

また、最近では外国人観光客も増えてきているという状況もあり、観光客を嚴島神社以外に誘導したいという想いが島内にはあるという。

この課題を解決しようとした時、通常思いつくのは、「他のいろんな観光スポットを紹介して興味を持ってもらおう」というものだ。

そう考えると、当然スマートフォンに地図を表示、どこに観光スポットがあるかということを表示したくなる。

もしかしたら、様々な情報から次に行くべきスポットを類推してお知らせるというようなサービスを思いつくかもしれない。

しかし、ご存知の通りそんな単純なナビゲーションでは人の行動は変わらない。

観光地宮島の課題をハッカソンで解決 ー宮島 Digitalization Hack2019 レポート1
ハッカソンの開かれた、国民宿舎 みやじま 杜の宿

ボランティアの位置情報を地図上にプロットするサービス「FindMe」

観光地宮島の課題をハッカソンで解決 ー宮島 Digitalization Hack2019 レポート1

そこで、このチームが考えたアイデアは、「外国語が話せて、観光案内のできるボランティアの位置情報を地図情報に表示する」というものだ。

旅の醍醐味の一つに人との出会いということがある。一つのスポットを見た後、次のスポットに行く際、自国の言葉がわかるガイドがいれば、そこに行っていろいろ情報交換をしたいと思う外国人観光客も多いだろいう。

世界の展示会などに行くと、「ask me」と書かれたプラカードを持ったガイドがいて、カンファレンス会場やトイレの場所、受付やタイムテーブルなどを聞くことができる係がいる。私も広大な会場で迷子になったりいきたいカンファレンスにたどり着きたい時によく利用するのだが、これの観光地版とでもいおうか。

観光地宮島の課題をハッカソンで解決 ー宮島 Digitalization Hack2019 レポート1
優勝したチーム(特攻野郎Aチーム)

この企画、とてもユニークなのだが、一点気になることがある。それは、「そもそもそのサービスをどのように知るか」という問題だ。

しかし、今回のハッカソンでは、観光地でサービスを始めに知る入り口となる可能性があるアイデアも発表されていた。

ゴミ箱を次のスポット探しのきっかけとして利用する「スマばこ」

観光地宮島の課題をハッカソンで解決 ー宮島 Digitalization Hack2019 レポート1

宮島観光をしていて、ゴミ箱があまりないことに気づいたチームがあった。このチームでは、ゴミ箱を単に設置するだけでなく、ゴミ箱が次のスポットを教えてくれる機能を持つというアイデアを発表していた。

確かに、ゴミ箱は観光客のみならず、住民や店舗の店員にとっても必須のものだ。しかも、ゴミ箱の近くに行くときは写真を撮るのも、会話をしているのも中断している可能性が高い。

そこで、ゴミ箱をきっかけに様々なサービスがあることを認知していくという考え方は面白い。

写真を撮影すると、地蔵が豆知識を教えてくれる

観光地宮島の課題をハッカソンで解決 ー宮島 Digitalization Hack2019 レポート1

また、他のチームでも大聖院にある地蔵にカメラを向けると、ARの技術を使って地蔵が豆知識を教えてくれるというアイデアを発表していた。

観光スポットで、カメラを向けるシーンで豆知識を教えてくれたり、次のスポット情報を教えてくれるという考え方は面白い。

現在でも、iPhoneなどのスマートフォンでは、カメラをQRコードに向けて、ピントを合わせるだけで、接続先URLを表示するといった機能が搭載されている。こういった機能を活用したり、将来的にもっとARの技術がスマートフォンのカメラに取り入れられるようになれば、カメラが地蔵の物体認識を行いそこに何かを表示する、というような機能を実装していくのも面白いだろう。

ハッカソンはアイデアで終わらせず、社会実装が重要

参加した6チームのメンバーは、皆一所懸命宮島の課題を解決しようと2日間頑張ったわけだが、総評としては、「宮島には法的な制約や地理的な制約など、様々な制約があるが、そんな中いろんな課題解決のアイデアを出してくれてありがたい。今後、参考にしてまちづくりに活用したい。」と広島県廿日市市 支所長の野村良哉氏は言う。

観光地宮島の課題をハッカソンで解決 ー宮島 Digitalization Hack2019 レポート1
ウフル CIOの八子氏

また、事務局を務めたウフルの八子氏は、「アイデアソンの中ではいろんなことができるという話がでていた。そのアイデアをデジタルで実現しようとすると、テクノロジー面での斬新さが要求される。一方、実装しようとすると、時間的、技術的、空間的な制約が当然多くなる。その結果、実装しやすい、やりやすいものに落ち着いたのではないかと感じました。これから、今回出たアイデアを、どうやってアイデアで終わらず社会実装していくかが重要だと思います。既存のインフラも活用して新しいことを始めるという考え方も重要です。」と述べた。

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