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要素技術 > 東芝、消費電力を64%削減した無線基地局向けの高効率パワーアンプを開発
無線基地局向けパワーアンプは、無線基地局から携帯電話などの端末に送信される無線信号を増幅する装置で、消費電力が大きく、無線基地局全体の消費電力の増加の主な要因となっている。パワーアンプで使用されるトランジスタは、送信する情報によって出力電力が常時変化する送信信号の瞬時出力電力が低くなると電力効率(※1)が大幅に低下する。
今後設置が進む5G基地局では、通信方式の高度化に伴い、より広い瞬時出力電力を持つため、低い出力電力における電力効率改善が従来以上に大きな課題となっている。
このような中、株式会社東芝は、無線基地局向けに、消費電力を従来から64%削減した電力効率の高効率パワーアンプを開発した。
同パワーアンプでは、2種類の異なる高効率パワーアンプの構成を独自の技術により効率が最大化するよう組み合わせるとともに、高次高調波の負荷(※2)を最適化することでさらに効率を高め、ピーク電力の10分の1という低い平均電力でも70%の電力効率を達成した。低い出力電力でも高い電力効率で動作することで、消費電力を従来から64%削減することができる(※3)。
今回開発された高効率パワーアンプにより、今後設置が進む5G無線基地局の低消費電力化に貢献する。
※1 外部電源からの電力と入力信号電力の合計電力に対する、出力信号電力の割合のこと。この割合が高いほど電力効率が高い。
※2 電波を送信する周波数に対し、2倍以上の周波数に発生する不要波成分を「高次高調波」と呼ぶ。この不要波成分は出力電力に寄与しないため、低損失に反射させるような回路を接続する必要があり、これを「負荷」と呼んでいる。
※3 古典的パワーアンプの電力効率を25%と想定すると、1Wの出力に必要な電力4Wに対し、電力効率70%の新型アンプでは1.4Wとなり、約64%の消費電力の削減になる。
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