非デジタルの視点がスマートシティに欠かせない理由 ―八子知礼×小泉耕二【第19回】

スマートシティの推進には”デジタル庁”が必要

小泉: 政府が先日、信号機に5Gのアンテナを設置してよいという計画を発表し、話題になりました。通信設備は電源が必要ですから、信号機の上というある意味“一等地”に立てられるのはとてもいいことだと思いました。

一方で、スマートシティの実現には、Wi-Fiのネットワークやカメラ、環境センサーなど、さまざまな設備が必要になります。せっかく通信キャリアが信号の上に5Gアンテナを立てるのであれば、加えて環境センサーなど設置するということも考えてほしいですね。

非デジタルの視点がスマートシティに欠かせない理由 ―八子知礼×小泉耕二【第19回】
株式会社アールジーン代表取締役/IoTNEWS代表 小泉耕二

八子: 義務付けするべきでしょうね。たとえば韓国には、Wi-Fiのルーターやビーコン、通信基地局、スマートLEDなどさまざまな設備を行政と商業区域が相乗りして設置できる電柱があります。韓国のみならず、香港、中国にもあります。ニューヨークでは公衆電話を撤去した場所にWi-Fiのホットスポットを置いたり、スマートフォンの充電ができたりする多機能なスポットを設けています。

日本の場合も、複数のアセットを相乗りさせるしくみを、法制度で義務付けしていくのが望ましいと思います。

小泉: せっかく今は国の方針と事業会社の思惑が一致しかけているタイミングなのだから、もう少し広い目で見て、社会をスマートにするとはどういうことなのかを真剣に考えてもらいたいです。

八子: それぞれの省庁の上に、「デジタル庁」というような組織を設けることが必要でしょうね。

信号機の上に設備を付加するという場合には、通信機であれば総務省と国交省、エッジ・コンピューティングのデバイスであれば経産省の管轄となります。結局、権限が別れてしまうのです。そうではなく、必要性を「デジタル庁」で判断し、トップダウンでそれぞれの省庁から予算を出し合ってもらうというようなしくみが必要ではないでしょうか。

小泉: 私たちがどんなに意見を言っても変えるのが難しいことはあります。でも、こうやって働きかけていかなければ何も変わりません。今回はどのように働きかけていけばいいのか、とてもイメージがわきました。貴重なお話をありがとうございました。

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