定額タクシーを中心としたMaaS構想
こうした温泉津町井田地区の交通課題に対応するため、定額タクシーを中心としたMaaSを構想したと、バイタルリードの森山氏は語る。その具体的な取り組みは以下のようなものだ。
定額タクシーの実証運行
まず1つは定額タクシーの実証運行を、2019年11月より4か月間実施すること。

井田地区内の地域拠点や交通の結節点を走る月3,300円の定額制乗り放題タクシーを運営し、免許を保持しない、あるいは自分で運転できない高齢者が、自宅からバスや駅といった公共交通機関の乗り場へと移動できるようにするという。
MaaSアプリの構築・実証
定額タクシーの実証実験と並行して進められるのが、スマートフォン向けのMaaSアプリの構築・実証だという。
このアプリで定額タクシーの運行状況の確認や予約、決済を出来るようにすると、バイタルリード・森山氏は語る。
また、路線バスの運行状況の確認など、他の交通機関との乗り継ぎをスムーズに行う機能も持たせる予定だという。
他の分野のサービスとの連携
バイタルリード・森山氏は、定額タクシーのサービスを交通機関だけでなく、他の分野のサービスと連携させていく予定だと語る。
その取り組みは、温泉津町井田地区にある井田まちづくりセンターとの協働による「小さなビジネスづくり事業」として展開していくとのこと。

他の産業との連携は、地域の経済振興や人手不足の解消に加え、小さなビジネスで得た収益によって定額タクシー運営のコストを抑える目的もあるという。
講演では、スーパーや道の駅で売られている農産加工品の集出荷を定額タクシーが請け負うなどの具体例が紹介された。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。