「現場主義」のIoTで見えてくる、製造業の先にある可能性 ―SORACOM Discovery 2019レポート3、ウフル・旭鉄工・田中衡機・フジテック登壇

IoTのその先に、何を目指すか

本講演のテーマは「製造業を超えて」だ。旭鉄工/iSTCの木村氏は、iSTCで構築したソリューションによって、非製造業の分野へも参入していく予定だという。

「たとえば、当社のソリューションを使うと、各企業の生産状況を横並びで比較できます。A社の稼働率が50%、平均が70%だとしたら、A社はまだ20%の伸び代があると見ることができる。M&Aの交渉などに、こうしたデータが使えるのではないかと考えている」(木村氏)

また、「通常、銀行は融資先の工場の機械がきちんと動いているかどうかをチェックしなければならないが、それは銀行の社員にとってかなり負担になる。当社のデータを使えば、稼働率がすぐにわかる。銀行の社員の働き方が変わると思う」と木村氏は語った。

また、田中衡機工業所の田中氏は、「取引に使うはかりは2年に1度、法定検査を受けないといけない。それはお客様にとって大きな労力となる。お客様が欲しいのはかり自体ではなく『正しい計量精度』なので、将来的には1回測ると〇〇円というように、リースのようなしくみも考えていきたい」と田中氏は語った。IoTによって、「はかり as a Service」(八子氏)とも呼べるような、全く新しいビジネスモデルに挑戦できそうだと実感しているという。

フジテックの友岡氏は、製造業におけるIoTの意義について、「色々な人から、現場感がなくなったという声をよく聴く。暗がりで一人寂しくコンピュータに向かっている従業員が増えたと。しかし、IoTは現場がより活きる手段だ。管理する人のシステムではなく、現場で対応している人を直接的にサポートするツールがIoTなのだ。IoTは、情報システムの本来の輝きを取り戻すいいチャンスだ」と語った。

最後に八子氏は、「今回は現場というワードが非常に多かった。まずは現場から課題を見つけることが大事。そして、IoTの次のモデルを見据えて、どん欲にチャレンジしていくことも、今のタイミングでは重要だ」と締めくくった。

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