モノのサービス化をメーカーと一緒に考える – ニフティ モバイル・IoTビジネス部 佐々木氏、市角氏インタビュー

IoTプラットフォームというと、様々なサービスがあるが、今回は、ニフティ株式会社 クラウド事業部 モバイル・IoTビジネス部 部長 佐々木 浩一氏と、同社 クラウド事業部 モバイル・IoTビジネス部 課長 市角 栄康氏に話を伺った。

モノのサービス化をメーカーと一緒に考える - ニフティ モバイル・IoTビジネス部 佐々木氏、市角氏インタビュー
左:IoTNEWS代表 小泉耕二/右手前:ニフティ株式会社 クラウド事業部 モバイル・IoTビジネス部 課長 市角 栄康氏、右奥:ニフティ株式会社 クラウド事業部 モバイル・IoTビジネス部 部長 佐々木 浩一氏

 
-ニフティのIoTサービスについて教えてください。

佐々木氏(以下、佐々木): ニフティはご存じのとおり、インターネットサービスプロバイダー事業とクラウド事業を展開していますが、IoTの時代に向けて色々なIoTサービスに取り組もうとしており、2015年7月に「ニフティIoTデザインセンター」というサービスをはじめました。

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「IoTのIをカタチに」というコンセプトでIoT専任チームを作り、ニフティのクラウドなどを活用してこれからIoTに参入しようとされている法人のお客様のサービスやデバイスのIoT化を支援しています。

具体的にはアイディア・企画出し、リサーチ、マーケティング、インターネットの設計・開発・検証、プロトタイピングをトータルで支援するサービスです。

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ニフティはモノの量産は専門ではないので、モノを選ぶ、探す、モックの作成までをお手伝いしております。ご相談は無料で、都度見積もりという形になります。

これまでペット、幼稚園、工場、ヘルスケア、見守りなどの事例があり、現時点では幅広く対応しておりますが、今後はニフティが得意とする領域、スマートホームやヘルスケアなどヒトに密接に関わる分野にフォーカスしていきたいと考えています。

ニフティクラウドIoTプラットフォームでは、ニフティクラウドのシステムプラットフォーム上でIoTに必要な機能、パーツを提供しています。現状は、サーバーやデータストア、スマートフォンのアプリを簡単に作ることができるmBaaS、IoTのサービスに適したプロトコルであるMQTTのブローカーなどを提供しています。これらを組み合わせて用いることで、お客様のIoTサービスの開発をスムーズに行えるといった環境です。

お客様のIoTサービスの開発をスムーズに行えるといった環境です。

この2月にニフティは30周年を迎えたのですが、これまでの30年間で培ってきた通信、クラウド、Webサービスなどのノウハウや、会員向けに構築・運用してきた決済システムなどを活用して、これからはハードウェア企業や製造業など、IoTのT側の皆さんとパートナーシップを組んでビジネス展開をしていけたらと思っています。

 
-ニフティならではのポイントはどこでしょうか。

佐々木: やってみてわかったことなのですが、サービス企画の部分です。ニフティは数百万人規模の会員がいますので、その皆さんにご協力をいただいてマーケティングリサーチをすることが可能です。この点は他社にはない特徴かと思います。

 
-モノを作る側からすると見込み客に質問ができるのはいいですね。

佐々木: そうですね。また、家電メーカーは売ったら終わりというところが多く、お客様との継続的な接点がありません。しかし今後、IoT化が進みモノがサービス化してくると、買い切りではなく月額課金、いわゆるサブスクリプションモデルが増えると思いますので、長らくストック型ビジネスを展開してきたニフティと組むことは企業にもメリットがあると考えています。我々も実際にやってみて、ここが強みだということに気づきました。

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ニフティ株式会社 クラウド事業部 モバイル・IoTビジネス部 部長 佐々木 浩一氏

 
-クラウドファンディングはサービスとしてつけないのでしょうか?

佐々木: プロトタイプ作成後、サービス化するところでクラウドファンディングを使う、ということですよね。今、何社かと話をしていますが、まだ具体化はしていません。

 
-AWS IoTやMicrosoft Azure IoTなど他社サービスとの違いを教えてください。

 
市角氏(以下、市角) : 「ニフティクラウドIoTプラットフォーム」は、「ニフティクラウド」のIaaS基盤上に構築しています。ニフティクラウドは高品質、高安定性を売りにしています。ISPのバックボーンを使っているので、ネットワーク速度には自信があります。サーバー性能も重視していて、増強時にはその時点で最もスペックの高いものを採用するようにしています。多少他社サービスよりはコストが高いのですがその分高性能です。車でいうとスポーツカーのようなイメージを持っていただければと思います。

エンジニアが自分で全て構築できる企業はAWSなどを採用していると思います。ニフティクラウドはユーザビリティを重視していて、コントロールパネルや操作の手順などもわかりやすく作っているため誰でも簡単に使えます。こうしたわかりやすさや操作性は、「ニフティIoTプラットフォーム」でも引き続き大事にしていきたいですね。

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ニフティ株式会社 クラウド事業部 モバイル・IoTビジネス部 課長 市角 栄康氏

 
-IoTプラットフォームの中に、機械学習は入れていくのでしょうか?

 
市角 : 検討はしています。機械学習などのデータ分析に取り組んでいる社員がいるので、彼らの知見をパーツとして出せるように開発を進めています。

 
-データを生で出すのか、データにタグつけて整理するのか、2種類の方法があると思いますが、どっちの方向に向かっているのでしょうか。

 
市角 : デバイスから得られたデータをどのようなかたちでどう見せるか、どう活用するかは、お客様の要件しだいで違うなと感じています。現在は案件ベースで対応していまして、これをどう汎用化するかというのは目下の課題になっています。

佐々木: ニフティIoTデザインセンターの事例ではないのですが、例えば、 ad Robot(アドロボ)という、楽天市場の広告効果を測定するサービスがあるのですが、ニフティのエンジニアがこのデータ分析と可視化の部分を作っています。

こういったデータを分析し可視化するという技術やノウハウを他社へ提供することも徐々に始めています。今後より多くのデータが集まってくると、さらに付加価値を生み出せると思います。

また、このサービスを使って実際に画面を見るのは、楽天市場に出店しているお店の店長さんで、ITになじみのない方が圧倒的に多いです。そういった人でも直観的にわかりやすいようにする、というデザインの部分も全て弊社のメンバーが担当しています。

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IoTNEWS代表 小泉耕二

 
-UIは大事ですね。

佐々木: 難しいITの技術やデータを、いかに一般の人にもわかりやすいデザインにするか、ということには特に力を入れています。30年間一般のお客様向けにサービスを提供してきたので、人間相手のコミュニケーションデザインはこれからも強みとしていきたいですね。

 
-Windows95が出た時に、これまでのマニアックな方とは違う、多くの方が御社に流れてきましたよね。

佐々木: そうですね、今、これまでクラウドやネットとあまり縁の無かった企業が、IoTサービスに参入しようとしてきています。そういった企業の期待に応え、一緒に価値を生み出していければと思います。

 
-IoTというと、ベンチャー企業や大手企業が、小難しい事やとがった事をやることが多いのですが、大きく広がるにはわかりやすい事が大事だと思っています。

市角 : そう思います。そういった観点ですと、ニフティIoTデザインセンターで、沖縄でのマングース駆除にIoTを活用しようという事例があります。野生のマングースがヤンバルクイナ(天然記念物、希少野生動植物種に指定されている)を襲ってしまうので、これを捕獲するため、現状、森の中に罠を2万個ほど設置しています。

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それを毎日人が見に行って、マングースが入っていないかを確認しているのですが、膨大な数なので非常に大変なのですね。そこで、罠に振動を感知するセンサーをつけ、振動情報を全体的に把握できるようにすることで、効率的にマングースを捕獲しようという実験を行っています。

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-とてもいいですね。今はまだIoTと生活者が遠いので、そういったデジタル化できる余地がある部分にどんどん対応していってもらいたいです。本日はありがとうございました。

【関連リンク】
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