富士通、AI活用で車両を検知し道路監視員へ事象を通知するシステムを提供

交通渋滞や事故、積雪などの天候やぬかるみなどの道路状況により動けず停止した車両(以下、スタック車両)は、渋滞のさらなる拡大やより大きな事故を誘発することがある。そのため、これらの車両を早期に見つけ対応することが道路の安全確保に求められている。

日本全国の国道にはCCTVカメラ(※1)が設置されており、道路監視員が24時間体制で目視による監視を行っている。異常事態発生時には緊急車両を出動させるなどの対応を行っているが、カメラの設置台数の増加や業務が多岐にわたり、すべてのカメラ映像を常時監視することが困難な状況だ。

そこで、富士通株式会社は、AI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を用いて道路上の監視カメラ映像から車両を検知し、車両の停止や混雑などの事象を自動で判定し、交通状況を監視する道路監視員へ事象を通知するシステム「FUJITSU Public Sector Solution AI検知システム(以下、AI検知システム)」を本日から提供開始した。

「AI検知システム」は、AIによってカメラ映像から乗用車、トラック、バスなど様々な車両を自動検知する。ディープラーニング技術によって、様々な条件の車両画像を教師データ(※2)として学習させることで、天候や昼夜などの外部環境に左右されず、またカメラの画角設定(※3)することなく、旋回やズームしても、正確に車両を自動検知することができる。

また、車両の停止・混雑といった事象を自動検知することができる。例えば、一定時間車両の位置に変化がなかった場合は停止、一定数量以上の車両が存在すれば渋滞と判定し、その結果を道路監視員へマップでの表示やアラームで通知することで、異常事態に対し、早期初動につなげることができる。今後、低速、逆走、避走(※4)といった事象の検知を2019年9月以降に追加する予定だ。

さらに、検知した事象は、発生前後の映像を自動でライブラリ保存することができる。これにより、発生事象の原因究明や今後の対策に活用することができる。

同システムは、国土交通省関東地方整備局で活用し効果を検証した。新潟県や長野県へ続く道路を管轄している高崎河川国道事務所では、特に冬期は積雪時にスタック車両が発生することがあり、スタック車両の撤去や除雪車による除雪などの早期対応が必要だ。実証の結果、天候や昼夜の影響を受けずに、また画角が変わっても自動的にその画角に合わせて車両を検知し、高精度の認識率を達成した。

販売価格は、環境や検知種別(乗用車、バス、トラック、二輪車、人物)、事象(停止、渋滞、低速、逆走、避走)範囲によって個別見積が必要だが、500万円からとなっている。

今後、「AI検知システム」によって蓄積された異常事象の映像ライブラリから、異常事象発生を予測して未然に防ぐ、もしくは事前に初動体制を構築できるサービスへ拡充する。さらに道路だけでなく河川監視業務など幅広い監視支援業務への拡大を目指すとした。

※1 国土交通省様の道路や河川の監視目的にて利用されているカメラ。
※2 正解のラベルがついた学習データ。同システムでは、画像に車両位置と車両種別のラベルをつけた学習データを用いている。
※3 カメラに写される光景の範囲の角度を設定すること。
※4 本来の道から外れて走ること。

プレスリリース提供:富士通

Previous

アマゾン Prime VideoがOculus VRヘッドセットを使いVR視聴可能に

NECと電中研が画像認識技術を共同開発、「NECメーター監視ソリューション」として提供開始

Next