日立、AIを活用した企業ブランドの維持・向上を支援する「ブランドモニタリングサービス」を提供開始

企業のブランド価値は、株価や商品の購買意欲、優秀な人材確保などにも影響を与えるため、企業活動においてブランド管理は重要だ。特に、企業グループ内でのブランドガバナンスの強化は、重要な課題となっている。また、企業内でブランドを取り扱う部門は、広報・宣伝、マーケティング、法務、知財、営業など多岐にわたるため、管理が煩雑になりやすく、昨今では、SNSやアプリをはじめとした新たな領域でのブランド対策も急務となっている。

そこで、株式会社日立製作所(以下、日立)は、AIなどのデジタル技術を活用し、企業におけるブランド価値の維持・向上を支援する「ブランドモニタリングサービス」を、10月1日から提供開始する。日立独自のWeb検索技術(以下、クローラ技術)と、テキスト認識や画像認識のためのAIを活用して、SNSやブログ、アプリストア、イントラネットなどの顧客指定のサイトを網羅的にモニタリングし、定期分析のレポートや管理ポータルの形式で提供する。

同サービスでは、クローラ技術と、リスクワードを文意などから自動判別するテキスト認識AI(※1)や、ロゴや製品画像などの固有の特徴(形状・色合い・模様)を識別する画像認識AI(※2)を採用している。

クローラ技術により、一般の検索エンジンでは収集できない深層Web(※3)を含め、Webサイトやアプリストア、SNSなどの顧客が指定したさまざまなメディアから幅広く情報収集する。テキスト認識AIと画像認識AIは、あらかじめ学習した社名やロゴ、製品などの表示基準、ブランドルールをもとに、収集した情報が顧客のブランドに関連する情報か否か、ガイドラインに基づき適切に利用されているかを判断する。

今回、社名やロゴを悪用した不正アプリの検知と、企業サイトにおける適正なブランド利用の管理、発表前製品画像などの機密情報の漏えい検知を対象とした以下3つのサービスを開始する。

  1. 無許諾スマートフォンアプリ検知サービス
    Google PlayとApp Storeの各国向けアプリストア(140か国以上)を対象に、企業名やロゴを不正利用している可能性のあるアプリを検知し、定期レポートとして提供する。ストア内のアプリ情報から、アイコンや説明画面を画像認識し、類似性の高いアプリを網羅的に検出するため、画像内に組み込まれた企業名やロゴなど、通常のテキスト検索では発見できない偽アプリにも対応する。また、テキスト認識AIにより、一般性の高い名称も自動的に意味を判定することで、関連性のないアプリを除外し、顧客の確認負荷を軽減する。
    なお、同サービスは、日立建機株式会社向けに開発した不正アプリ検知機能を強化したものである。
  2. ブランド適正利用管理サービス
    社員やグループ企業などによる適正なブランド利用の管理・徹底を支援するサービス。具体的には、ロゴのサイズや配置、ページデザインなどのブランドルールをAIに学習させ、ルールに従っていない違反コンテンツを自動検知するほか、管理ポータル上で問題箇所が是正されるまで該当ページの最新状況をトラッキングする。これにより、対象サイトの常時モニタリングや問題箇所の一元管理などを実現し、ブランドマネジメント部門の業務を効率化・高度化するとともに、ルールに則ったビジュアルイメージの統一化やブランドガバナンスの強化を支援する。
    なお、今後、日立のシステム&サービスビジネス部門のブランドマネジメント業務の一部に同サービスを適用し、継続的な機能強化を図る。
  3. 機密情報漏えい検知サービス
    発表前の製品写真や社外秘資料をはじめとした顧客の機密情報の特徴をAIが学習し、外部への漏えいを検知して定期レポートとして提供する。深層Webにも対応するクローラ技術と画像・テキスト認識AIにより、機密情報が不正にアップロードされる懸念のあるサイトをモニタリングしながら、企業名やロゴ、キーワードなどの関連情報と組み合わせて機密情報か否かを分析し、情報漏えいを検知する。これにより、顧客はいち早く事態を把握することができ、迅速な対応を行うことで、情報の拡散による被害拡大といったリスクを低減できる。

今後、日立は、マーケティング、ブランドマネジメントを専門とする一橋大学ビジネススクールの阿久津聡教授の協力を得て、ブランド理念構築や企業ブランディングによって持続的に業績を向上させるブランド経営のあり方を支援するメニューを拡充するとした。

※1 企業名・ブランド名・製品名などのキーワードには完全一致しない情報や、キーワードは一致するものの意味が異なるものを認識し、関係するリスク情報か否かを識別するAI。たとえば、日立製作所の「日立」と、日立市の「日立」について、どちらの意味で用いられているかを認識することが可能。
※2 企業ロゴや製品写真など、固有の特徴情報をAIが学習・識別することで、キーワード検索だけでは見つけづらいリスク情報も検知可能になる技術。
※3 通常の検索エンジンで行うようなURLやキーワード指定以外の操作が必要なWebサイト。なお、同サービスでは、ID・パスワードなどアクセス制限のある深層Webは収集対象ではない。

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