ソフトバンクとホンダ、商用レベルの環境で5Gコネクテッドカーの技術検証を実施

ソフトバンク株式会社は、株式会社本田技術研究所と5Gを活用したコネクテッドカー技術の共同研究を行っている。この共同研究の一環として、2018年11月より実施してきた商用レベルの環境で5Gコネクテッドカーの技術検証を完了した。

同技術検証は、本田技術研究所が持つ北海道上川郡のテストコースに設置した実験基地局を使用して、商用環境を想定したノンスタンドアローン標準仕様(※1)で構成された5Gネットワーク環境で行われた。

5Gネットワークの通信インフラには、3GPP Release 15(※2)規格に準拠したノキア製の通信機器を使用し、車載器にはクアルコム製の商用向け「Qualcomm Snapdragon X50 5G モデム」を使用した「Qualcomm Connected Car Reference Design(CCRD)」を使用することで、商用環境レベルでの検証を実現した。車両は、Hondaが販売する普通乗用車を使用し、以下の検証が行われた。

  1. 無線検証
    • 定点試験
      停車した状態で、通信方式(64QAM、256QAM※3、2×2 MIMO、4×4 MIMO※4)の組み合わせなどを変えて通信品質の検証を行う。
    • 走行試験
      走行する車両の速度(30km/h、60km/h、100km/h)を変えて、通信方式の組み合わせごとの通信品質の検証や、基地局の切り替え(ハンドオーバー)の検証を行い、最適なパラメーターを探る。
    • 車両特性試験
      ケーブルの取り回しや、アンテナの設置位置や本数、種類などを変えて通信品質を検証するとともに、5G接続において最適な組み合わせを探る。
  2. ユースケースの検証
    • 見通しの悪い交差点における、周辺車両の位置情報の伝送
    • 前方車両の急ブレーキ情報を後続車両へ伝送
    • 車載カメラ映像を基に道路上の落下物を特定し、周辺車両へ伝送
    • その他の検証(高画質な4K映像の伝送、車載カメラの二次利用など)

同技術検証の結果、最大1Gbpsのスループットを達成し、車載器から5Gネットワーク外にあるアプリケーションサーバーへのネットワークの遅延(レイテンシー)は平均17ms(1msは1,000分の1秒)以下を実現するなど、さまざまな環境で安定した通信を実現し、5Gと車両との親和性の高さが確認された。また、Massive MIMO(※5)を用いてビームフォーミングやビームトラッキングを行うことで、走行時でも安定した通信ができることが確認された。

※1 LTEとの連携によって5Gの性能や機能をいち早く実現できるようにする仕様。
※2 移動通信システムの規格策定を行う標準化団体のこと。3GPP Release 15とは、3GPPで策定された、5Gの新しい無線方式「5G-NR」の標準仕様。
※3 無線通信における変調方式の一つで、情報密度を高めて一度に運べるデータ量を増加させる技術。
※4 送信用(基地局)と受信用(端末)に各4本のアンテナを使い、複数のデータを同時に送受信する技術で、2×2 MIMOは、各2本のアンテナを使った技術。
※5 数十~数百の多数のアンテナ素子を使ってデータを送受信する技術。

Previous

MKI、創薬事業をトータルにサポートする「MKI-DryLab for Microsoft Azure」提供開始

普及するEV・PHEV車を支えるバッテリー生産者

Next