いまさら?というなかれ、AIで進化するOCR

働き方改革や業務改革において、わかりやすい業務効率化が、デジタル技術を使って人手の作業を減らすことだ。

しかし、デジタルが当たり前となってきている昨今、アナログデータをどうデジタル化するか、というテーマについての研究が各方面で進んでいる。

その一つに、「OCRによる文字認識」というテーマがある。これは、企業内には様々なペーパーがあって、手書きで書かれているものも少なくはないからだ。

OCRとは

OCRをご存じない方のために、少し復習する。

OCRとは、Optical Character Recognition/Readerの頭文字をとったもので、光学的文字認識技術のことだ。

手書きの文字や印刷された文字を、スキャンやカメラで撮影し画像データとした後、デジタルで活用できる文字データに変換する技術である。

日本では、1968年に郵便番号の採用に伴い、初めて国産OCRが製品化された。

日本語は、漢字、平仮名、カタカナがあり、漢数字と算用数字がひとつの文章の中に混在していることもあるため認識が難しいと言われていた。

AIを活用したOCR

OCRが文字を認識するためには、あらかじめ決められたロジックに従って文字を認識する必要があった。

例えば、フォーマットが決まっていて、そこに書き込まれた文字であれば認識することができる。

しかし、枠外に書かれたメモ書きのような文字は、何の情報か識別できない。

また、手書きの文字や業界用語は認識が難しかった。

ここで、AIを活用すると、読み取り位置や項目の詳細を定義しておかなくても、認識できるようになるのだ。

例えば、取引先ごとに書類形式が異なっていても、分析を行い、自動でどこに何が書かれているかを判定してくれる。

また、データを処理しながら学習することで、認識率を向上させることもできる。このことで、手書き文字や業界用語も認識も可能となるのだ。

AIを活用しても完璧ではない

AIを活用したOCRでも、認識率100%にはならないと言われている。

さらに実用面においては、画質を確保する前処理を行ったり、後処理として認識結果の補正を行ったりする必要がある。

そういった手間を加味しても、業務効率が改善するのかを検討して導入するべきだろう。

AIを活用したOCRの事例

エッジAIによるOCR

京都電子計算と舞鶴市、AI手書き文字認識サービス「エッジAIオプション」の実地検証を実施

京都電子計算株式会社は、京都府舞鶴市協力のもと、AI手書き文字認識サービス「エッジAIオプション」の実地検証を実施した。

エッジAIオプションは、インターネットやLGWAN(総合行政ネットワーク)網へアクセスせずにスキャナーだけで高精度な文字認識が可能だ。

そのため機密性が求められる自治体の閉域環境や、LGWANに接続できない個人番号取扱事務やレスポンスを求められる窓口対応等に活用できる。

京都電子計算のLGWAN版のサービスと併用することで、自治体業務における利便性の拡張と業務効率の向上に貢献する。

伝票入力業務を自動化

佐川OCRで文字認識

佐川急便・SGシステム・フューチャーアーキテクト、配送伝票入力業務における人の入力作業をAIが代替し自動化する新システムを本稼働

佐川急便とSGシステム株式会社、フューチャーアーキテクト株式会社は、佐川急便の配送伝票入力業務における人の入力作業をAIが代替し自動化する新システムを2018年12月から開発を開始し、2019年7月より本稼働した。

深層学習を活用した文字認識などのAI技術をベースにフューチャーアーキテクトとSGシステムが独自に開発した新システムでは、配送伝票情報の読み取りから既存システムへのデータ連携までを自動化している。

これにより、佐川急便の配送伝票情報入力を受託しているSGシステムなどでは、新システムに代替することで作業時間を月間約8,400時間短縮して、貴重な労働資源を有効活用できるようになる。

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