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生活をおしゃれに、ヘルシーに。ウェアラブル活動量計Misfit  -Misfit Japan 古谷氏インタビュー

日々身に着けるモノなら、おしゃれな方がいい。

これまでのウェアラブル活動量計の不満点を全て解消しようとして発売されたMisfit。Misfit 共同創業者の1人であるSonny Vuが、「みんながいつもつけてくれて、いつも満足してくれて、楽しくつけたい」と考え作ったウェアラブル活動量計について、Misfit Japan ディレクター プロダクトマーケティング 古谷好美氏に話を伺った。

 
-Misfitについて教えてください。

Misfit Japanでのローンチに力を入れてPRを始めたのが、2015年の夏になります。SHINEという初期型の製品は発売していたのですが、7 月にFLASHというリーズナブルなバージョンを出すタイミングに合わせて弊社もPR活動を本格的にはじめました。

Misfit 古谷氏インタビュー
Misfit FLASH

今年の2016年はSHINE2という一番新しい製品と、春ごろには時計型ではないタイプの活動量計 Misfit Ray(ミスフィット レイ)が発売される予定なので、その2製品を中心に展開していきたいと思っています。

SHINE2の時から我々のコアなメッセージとしてお伝えしているのが、~Always On~という一言につきます。常にユーザー様が使っている機能がOnであるという意味と、常に見つけているOnである2つの意味にかけています。

このMisfitを創業するときに共同創業者の1人であるSonny Vuが、他社製品のレビューを隅々チェックしていったところ、お客様には3つ不満な点があると気付きました。ひとつが「充電しなければいけない」という点です。充電している時に外してしまうとその時間のログは取れないので、例えば夜外してしまうと睡眠時のログは取れません。次に「防水ではない」という点が、スポーツ時や入浴時に濡れないよう外してしまうということでした。一度外してしまうとまたつけるのを忘れてしまって、つけるのを忘れると「もういいや」となって続かなくなってしまいます。

最後に「おしゃれではない」という点です。今日のファッションやシーンには合わないと思った場合、外してしまいます。以上この3つのポイントがお客様のかゆいところに手が届いていないことに気が付き、それを克服してしまえば逆の発想で、「みんながいつもつけてくれて、いつも満足してくれて、楽しくつけたい」という製品ができるのではないか?というのがMisfit SHINEのコンセプトです。

他の製品も全く同じことで、ボタン式電池で充電せずにある程度の期間つけていられて、おしゃれであること、というのは全ての製品に対してのコンセプトになっています。

Misfit 古谷氏インタビュー
左(ピンク)SHINE/右(ゴールド)SHINE2

SHINE2になってからは、自分の活動のログを取るだけではなくて、フィードバックするウェアラブルです。例えば、ずっとパソコン作業をしていて座りっぱなしの状態が続いたり、電話がなったりすると、ブルブルっとアラートで知らせてくれます。これまでの受け身の状態ではなく、Misfitから何かアクションを取ってお客様にお伝えするというように進化をしていますが、Always Onというメッセージと、3つのコンセプトは変わっていません。

また、他のブランドとのコラボをして、おしゃれな路線を狙っておりますが、日本ではVICTORIA’S SECRETのモデルや、スワロフスキーとのコラボ製品をMisfit社からは発売していないので、まだそれほどターゲットは広がっていません(スワロフスキー社の店頭では販売されている)。まだ現時点ではどの国でも発売されていないのですが、SHINE2では付け替えられることができるアクセサリーを出す予定です。

 
-今年のCESではスワロフスキーのブースはすごかったですね。

そうですね、かなり大きく展開されていました。最近ではアスリート向けの本格的なモノや、日本のメーカーからも色々な活動量計が出てきていて、お客様は「何をどう選んでいいかわからない」というのが正直なところではないかと思っています。

我々はおしゃれなファッションというところから入っていって、一日の活動が何キロカロリーで何歩だということにこだわるよりも、「1日このくらい運動したいな」と自分で決めたポイントに対してどれだけ達成できたか、というのを意識するところからはじめていただきたいと思っています。

ライフスタイルに少し気づきができて、「今日は座りっぱなしで運動できてなかったら、1駅歩こうかな」と、生活をヘルシーな方向に変えていきたいお客様をターゲットとしています。

 
-ユーザーインターフェースはどのようになっているのでしょうか。

製品ご購入後アプリをダウンロードしていただき、基礎代謝のアルゴリズムのデータに関わる、お客様の性別、年齢、身長、体重を入力していただきます。アカウントの新規登録の過程で1日何ポイントにするかというのをお選びいただきます。(後ほど設定で変更も可能)例えば、30代女性で160㎝であれば、標準は○○ポイントです、というだいたいの指標が出ています。

その目標を設定していただくと、自分の活動がその目標に対して何パーセント達成しているかという内容を本体でもアプリでも確認ができます。常にスマホでアプリを立ち上げていなくても、本体の方である程度データの保存はします。

 
-そのポイントというのは、どういうことで構成されるのでしょうか。

独自のアルゴリズムが使われているのですが、3軸加速度計が、激しい運動をしている、歩いている、テニスやサッカーをしているなどの動きを認識していますので、例えば、軽度の運動を10分間したら30ポイント、激しい運動を同じく10分間したら50ポイントという計算をしており、その積み上げで1日のポイントになっています。

この考え方の根本は、人が1日に消費するカロリーは基礎代謝が約7割をしめると言われていることにあります。何キロカロリー食べた、何キロカロリー消費したということだけにフォーカスするのではなく、弊社側で設定しているアルゴリズムの中で積み上げたポイント数を意識していただくだけで、一定量の目標の運動を達成し、できれば+αでもうちょっとあげていただく。毎日100%達成したのであれば、今月はもう少し目標ポイント数をあげてみようかな、という流れで、あまり考えなくても、自分の達成度を意識するだけで、自然とアクティブになります。

 
-基礎代謝をあげたいと思ったら、平均的な目標を達成するだけではダメで、運動などをしてカバーしなければいけないということですよね。何か改善したいと思っている人が、計測しているデータを見てどうしたらいいかわからないと思っている人もいるのではないでしょうか。

今のアプリで表示している計測内容や、Misfit側からなんらかお客様へフィードバックするという機能でいえば、そういった機能はまだありません。そういったお声はいただいているのですが、ひとりひとりの脂肪量、筋肉量、骨格量などでかなり変わってきますので基礎代謝についてアドバイスをお送りするのは、現状難しいかもしれません。

 
-1人1人に合わせたアドバイスを伝えることは難しいですよね。可能であれば、ウェアラブル活動量計に対する期待は、ただ計測するだけではなく、自分にダイレクトに何かが伝わるものがあるといいなと思います。

我々は、筋肉量や脂肪量を細かく計測する機器を作るという方向は目指しているわけではありません。製品もアプリもなるべくシンプルですし、アプリの表示にカロリーなどは表示していますが、あくまでも参考値なのでポイントを軸に意識してください、という製品づくりをしています。

例えば痩せようと思って運動をはじめたときに、まずは動くことからはじめ、次に歩数計を購入してデータを計測し、自分の限界がわかり克服しようとする、などのステップを踏むとしたら、Misfitはその段階の中の入門編です。もうちょっとおしゃれに気軽にわかりやすく毎日続けられる、というお手伝いをするための製品という立ち位置にいて、まずは多くの方にMisfitを知っていただきたいと思っています。

 
-あくまでも数値ではなく、参考になるグラフでの表示というのが、かえっていいのかもしれないですね。カジュアルにつけるというウェアラブルでは、数字を細かく追いだすと確かに息苦しくなるかもしれません。

Misfitがフォッシル社の傘下に入ったことで、デザイン性が我々の強みにもなりますし、もともと持っているエンジニアリングの力もありますので、今後フォームウェアのアップデートで色々なことができてくると思います。

スピード社とのコラボレーションバージョン「Speedo SHINE」を使うと画面にひとつメニューが増えていて、プールの長さを登録し自動でラップカウントができます。ただ日本の場合は公営のプールで何かをつけて泳ぐというのが難しいので、トレーニングジムなどでご利用いただければと思います。

Misfit 古谷氏インタビュー
Speedo SHINE

VICTORIA’S SECRETでできることは変わらないのですが、デザインやアプリのスキンが可愛らしくなっています。

Misfit 古谷氏インタビュー
VITORIA’S SECRETモデル

スワロフスキーも同じでアクティベートするとキラキラとしたスキンになります。現状は2種類色を選べます。

また、睡眠は普段意識していない方が多いようで、睡眠ログが取れるところがご好評いただいています。夜寝るときに充電をしないで済むので、つけっぱなしで眠ることができます。

 
-睡眠のログを見て、眠りが浅い深いというのがわかった後は、なにかアクションはできるのでしょうか。

睡眠に関してまだフィードバックはできていません。その理由は、Misfitを手首につけていただき静止の状態をみて判別をしているのですが、さらに細かくフィードバックするには、やはり心拍もはからないといけません。よって、現在発売しているMisfitの製品では難しいという状況です。

 
-心拍センサーをいれると、せっかく電池が長持ちする設計なのに、電池が持たなくなりそうですね。

そうですね。エンジニアは開発していくと「これもできる、あれもできる」とどんどんプラスアルファの提案を出していくのですが、電池が6か月持たないとわかったらSonny Vuは許可しません。やはり確固たるベースを崩してはいません。

 
-私の周りにいる人に聞いてみると、「Misfitのバンドのバリエーションがあったらいいのにな。」という人がいます。アクセサリー類が増える予定はありますか?

Misfit 古谷氏インタビュー

アクセサリーの販売は、日本のマーケットでもかなり要望をいただいていますので、私たちも早く出してほしいと本社にお願いをしている状況です。時計と一緒につけたくないという方は、クリップを使ったりポケットに入れたりしているようです。

 
-今後の展開を教えてください。

フォッシルの傘下に入り本格的に始動するのが2016年の今年ですので、これまで以上におしゃれなファッション性を取り入れていきたいと思っています。

また本社はサンフランシスコにありますが、Sonny Vuがベトナムの人間なのでベトナムや中国にエンジニアリングの開発拠点があります。そこではどんどん新しい人材を雇って研究していますので開発のスピードが早く、いいものを作っていきたいというエネルギーに溢れています。デザイン面ももちろんですが、機能面の充実も期待していただければと思います。

 
-本日はありがとうございました。

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