生産工程の贅肉をとる、リーン生産方式やトヨタ生産方式とIoTの関係

リーン生産方式は、米国マサチューセッツ工科大学の研究者ジェームズ・P・ウォマックらが1990年、著書にてTPS(Toyota Production System:いわゆる、トヨタ生産方式)を「リーン生産方式」として欧米に紹介したことが始まりといわれていて、この聞きなれない「リーン」という言葉は、「贅肉が取れた」という意味だ。

製造業のビジネスにおける「贅肉」とはなんだろう。

初めはシンプルな生産プロセスであったとしても、いろんなものを製造したり、設備を増強したり、人が変わるなど、様々な要因で生産プロセスにはビジネス的な無駄がでる。この無駄の部分を贅肉と称しているのだ。

リーン生産方式において参考にしたといわれるTPS(トヨタ生産方式)。その中身は大きく、「ジャストインタイム」「自働化(働はニンベン)」があげられることが多い。

トヨタ生産方式のポイント1:ジャストインタイム

生産計画に合わせて「必要なものを、必要な時に、必要なだけ作る」という考え方で、その結果「ムダ」「ムラ」「ムリ」がなくなりビジネス的な生産性が向上するといわれている。

トヨタ生産方式のポイント2:自働化

異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない、という意味だ。

それまでモノを作ることについてヒトがやらず機械がやるという意味での「自動化」は進んでいたが、たとえ異常が発生してもつくりつづけてしまう。

そこで、ヒトが現場で培ってきた知見を機械に入れ込んで、異常が発生したら停止するのだ。

異常で止まる生産ラインは、そこで異常の原因を追究することができるため、最終生産物を作ってから品質検査をするより、不良となる材料、加工費、運搬費、手直し・つくり直しの製造費用などのムダなコストが削減されるのだ。

異常停止をするポイント

標準作業通りに作っていないとき、不良や不具合が起きた時、作りすぎたとき、などが起きると異常停止を行い、改善を行う。

稼働状態をみえる化する

まず、第一段階として、稼働状態をみえる化することが重要だ。

設備の稼働状態をみえる化し、停止状態を認識するのが「アンドン」になる。しかし、これまでのアンドンでは、停止状態がわかるだけで、「停止理由」が分からなかった。

しかも、止まってすぐ原因究明をするといっても、作業をしているのが人である以上、曖昧になることもしばしばある。

そこで、センサーなどを使い、設備の稼働状態を細かくモニタリングすることで、停止が起きた前後の状態を詳細に把握することができるようになるのだ。

インターロック

生産現場でヒトが起こす問題として、「工程飛ばし」「加工や組み付け忘れ」「加工や組み付け間違い」といったものがある。

例えば、工程を飛ばしてしまった場合、やるべきことができていない状態で次の工程に行ってしまうことになるので、大きな問題が起きる。

そこで、前工程が終わらないと後工程の産業機械が作動しないようにするという処置を機械的に行うのだ。

ポカヨケ

作業者のミスをいち早く気づき、作業をいったん止めることだ。

材料を取り出し、機械に設置、機械を動作し工程が終わると、取り出すのだが、例えば材料の取違や間違った工具をとらないように、次の作業でどの材料をどの工具で行えばよいか、ということについてわかりやすくするのだ。

例えば、生産ラインにQRコードがついていて、それを画像認識し、自分の工程で使うべき材料の入った箱のランプが点灯する、といった対応が可能となる。

リーン生産方式とトヨタ生産方式の違い

ムダなことをなるべくやらず、効率化するというとイメージがわきやすいが、実は、生産性を向上させるポイントは、異常停止状態をどう検知し、それ以降の工程に進めないことで全体としてビジネス的なムダをなくす、ということだと分かったはずだ。

トヨタ生産方式を学ぶことで生まれたリーン生産方式だが、ビジネス的に見ても当然内容は似通っている。

トヨタ生産方式がトヨタ内部に対して洗練されていったのに対して、リーン生産方式は一般化され体系化されているというところが大きく違うといえる。

Previous

AirPods Proがすごいのは、ノイズキャンセリングの仕組みだけではなかった

見えてきた、拡張拡張現実(AR)の限界と課題

Next