AIoT のパワーを解き放て―― AIとIoTを統合したAIoTを今すぐ導入すべき理由とは?

タクシーが落とし物を探す時代がやってきた

誰もが1度は経験のある落とし物。

警視庁の「遺失物取扱状況」によれば、2018年に東京都で発生した落とし物が拾われた件数は約410万件に上るという。

だが、そのうち落とし物をした人の手元に戻ってくる件数は、わずか60万件程度、割合でいうと14.4%になる。残りの350万件のほとんどが、拾われてから3ヶ月経過した後、拾った人の物になるか、東京都の物になっている。

意外にも、せっかく拾われた物でも、探されないことのほうが多いようだ。これは推測に過ぎないが、落とした物をしたものの「探す手間」をかけるほどの物でもない、といったケースがあるのかもしれない。

このような状況がある中、12月11日より、忘れ物防止タグ「tile」を提供するTile、タクシー配車アプリを提供するJapanTaxiが連携し、落とし物を「探す手間」を省くことのできるサービスが始まった。

忘れ物防止タグ「tile」とは

tileとはアメリカで生まれたコインサイズのタグで、鍵、ハンドバック、お財布、パスポート、社員証といったものに取り付けて使用する。

tileの画像
source:tile

tileはBluetooth通信でスマートフォンと接続する。そのため、例えば鍵にtileを付けていたとすると、鍵を落としてしまった後、人がその場から離れるとtileとスマートフォンをつなぐBluetooth通信が途切れる。

この通信が途切れた場所をスマートフォンにインストールされた「tileアプリ」が地図上で表示してくれる。そのため物を落とした場所が分かって、落とし物を拾うことができる。

では、tileが付けられている物を落としてしまったとき、スマートフォンの電池が切れている場合はどうすればよいのだろうか。もしそのあとスマートフォンの電源をオンにしても、tileアプリ上で確認できるのは、Bluetooth通信が途切れた瞬間なので、「物を落とした位置」ではなく「スマートフォンの電源が切れた時の位置」だ。

また、電車やバスといった公共の乗り物で落とし物をしてしまったら、どうか。落とし物は動き続けているので「物を落とした位置」がわかってもあまり意味がないということがわかるだろう。

このようにスマートフォンの電源が切れていた場合や落とし物が動き続けている場合、新たに位置情報を検知しない限り、正確な位置情報の把握はできない。

そこで、tileタグ付きの物を検知し直したいというニーズが出てくるが、Tileはこのニーズを満たすべく、「Tileコミュニティー」というものを提供している。

世界最大級の落とし物コミュニティー「Tileコミュニティー」

Tileコミュニティーは自分のtileを全世界のtileユーザーが探し出してくれるというものだ。例えば、自分のtileの近くを、別のtileユーザーが通った場合、別のtileユーザーのアプリが、自分のtileの位置情報を検知し、クラウド経由でスマートフォンに送信してくれる。

このTileコミュニティーがあれば、「スマートフォンの電源が切れてしまっているときに落とし物をしてしまった」「公共の交通機関に落とし物をしてしまった」というときでも、その物の最新の位置情報を知ることが出来る。

しかし、このシステムにも難点はある。例えば、あまり人通りが少ない場所でtile付きの物を落としてしまったという時、どうするのか。

仮にその落とし物の近くを人が通ったとしても、その人がtileユーザーでなくてはならないことも考えると、位置情報が検知される可能性は低くなってしまう。

この場合、人通りが少ないという課題は解決が難しいが、tileユーザーでなくてはならないという課題は取り組みやすいのではないだろうか。

TileとJapan Taxiの連携による落とし物の検知

Japan Taxiは全国2万台を展開するタクシーの後部座席にタブレット端末を設置している。タクシーに乗られる方なら分かると思うが、広告が流れていたりするタブレットだ。

そして、12月11日より、このタブレット全体にTileの検知システムが導入されることになったのだという。

タブレットに搭載されたtileの検知システムは、tileから発せられるBluetoothの電波を拾って、持ち主にそのtileの位置情報を知らせてくれる。

落とし物が見つかる流れ
source:tile

実は、この取り組み自体は8月下旬に全国でテストされている。その結果、1日最大約6万個のtileを検知することに成功しているようだ。

この仕組みが普及することで、タクシーでの落とし物をいち早く回収できるようになるのかもしれない。

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