NTT・ドコモ・静岡大学、暗号技術とAIを活用した高品質野菜の栽培実験を「畑アシスト」で開始

農業従事者の減少や高齢化が進む昨今、生産性の向上や高水準な栽培技術の継承を見据えて、ドローンやロボット技術、情報通信技術(ICT)を活用するスマート農業の発展が期待されている。今後スマート農業を普及させていくためには、高水準な栽培を実現する生産管理情報や栽培記録などの漏えいを防ぎ、ドローンやロボット、環境制御装置などの不正操作を防止するためのセキュリティ強化がさらに重要になってくる。

NTT・ドコモ・静岡大学、暗号技術とAIを活用した高品質野菜の栽培実験を「畑アシスト」で開始

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)では、営農支援プラットフォーム「畑アシスト」を2019年11月から提供開始している。「畑アシスト」では、圃場に設置したセンサーから取得したデータを、ドコモのクラウドに収集して、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの端末で確認・管理することができる。併せて、今後の計画や日々の作業記録なども管理でき、さまざまな管理コストを効率化することができる。

日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、IoT機器のアクセス制御、データ・通信の暗号化などのセキュリティ機能を、狭帯域なネットワーク環境(ZETA)かつCPU性能などリソースが限られたIoT機器でも動作可能な認証認可方式を実現した。同技術は、農業を含むさまざまな分野に適用でき、センサー機器からWebカメラのような高性能なIoT機器までさまざまな機器に利用できる。

そして、国立大学静岡大学峰野研究室は、葉のしおれ具合に基づいて灌水を制御するAI「クラウド型AI灌水」の研究開発に成功し、株式会社Happy Qualityやサンファーム中山株式会社との連携で、高糖度トマトの大量安定生産に成功している。

このような中、静岡大学、NTT、ドコモの3者は、ドコモの「畑アシスト」に、NTTが研究開発したIoT向け軽量認証認可方式、静岡大学が研究開発したクラウド型AI灌水を搭載して、高品質な野菜を安心・安全かつ効率的に栽培できるシステムの実証実験を行う。同実証実験は、静岡県の圃場で2月下旬から開始する。

同実証実験では、「畑アシスト」のセキュリティを強化し、AIを用いて高糖度のトマトを栽培する。農業用ハウスの内部に温度センサーや湿度センサーなどのIoT機器を設置し、センサーから得た情報を暗号化してクラウド上のAIに送信する。そのセンサーの情報を基に、AIが水やりの要否を判断し、水やりが必要と判断された場合は灌水装置が水やりを行う。

この時、クラウドと灌水装置の間で互いに認証を行うことで、灌水装置の不正操作を防ぐ。また、センサーデータの暗号化を行うことで、栽培ノウハウの盗用を防ぐ。

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