富士通研究所、AIが認識できる画質で映像データを高圧縮する技術を開発

近年、様々なビジネスの領域で映像データをAIで解析する需要が急激に増加している。さらに、高精細な4Kや8Kなどのカメラの普及や、2020年からサービスが開始される5Gにより、製造業や小売業における行動分析など大規模な映像データの利活用が進み、AI解析の需要はますます増えていくと予想されている。

映像を解析するAI手法としてはディープラーニングが多用されるが、処理が膨大で、端末側のエッジサーバだけで大規模な映像を解析する場合、エッジサーバの増強などによる計算パワーの確保が必要となる。そのため、クラウドと連携した処理が有効だが、映像データはサイズが大きく、ネットワーク帯域が逼迫しないように、全ての映像データを品質を落とさずにクラウドへ送信できる高圧縮技術が求められている。

そこで、株式会社富士通研究所は、高精細・大容量な映像データをAIが認識できる必要最小限のサイズまで高圧縮する技術を開発した。これは、映像データに映っているヒト・動物・モノなどを認識する際に、判断基準となる特徴を重視する画像の領域が、AIと人間では異なることに着目して、AIが重視する領域の自動解析、およびAIが認識できる必要最小限のサイズまでデータを圧縮する技術である。

圧縮特有の画質劣化が与える認識精度への影響を、画像の領域ごとに解析し、AIの認識結果も踏まえて認識精度に影響しない圧縮率を自動推定する。

富士通研究所、AIが認識できる画質で映像データを高圧縮する技術を開発

これにより、AIの認識精度を低下させることなく、大量な映像データの解析が可能になるとともに、運用、伝送回線コストの大幅な削減を実現する。同技術を、工場で梱包作業を行っている複数作業員の様子を4Kの高精細カメラで撮影した映像に適用し、認識精度が劣化することなくデータサイズを10分の1に削減できることを確認した。

同技術により、厳密なリアルタイム性が必要でない用途や、さらに、クラウド上に蓄積された複数の映像データ、映像以外のセンサーデータや売り上げなどの実績データなどを組み合わせた高度な映像データの解析などへの活用も期待される。

富士通研究所では、同技術を様々なケースで評価し、さらなる圧縮性能の向上のための研究開発を進め、2020年度中の実用化を目指す。また、製造業を支えるサービス基盤である富士通株式会社のものづくりデジタルプレイス「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA」をはじめとして様々な業種への展開を行うとした。

プレスリリース提供:富士通研究所

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