凸版印刷、脳活動を計測して消費者インサイトを分析

店舗で商品を購入する際の消費者の潜在意識を把握するには、従来アンケートやインタビューなどの手法で調査が行われてきた。しかし、設問の設定やインタビュー時の環境によって得られる回答が本来の意識と乖離することがあり、消費者の潜在意識を定量化・可視化することは難しかった。

凸版印刷株式会社では、1968年に消費行動研究室を設立し、消費者の潜在意識を把握する委託調査や自主調査を行っている。調査方法は、インタビュー/アンケート手法に加え、アイカメラ調査を活用し、定量・定性の両面から消費者の潜在意識を把握する購買行動分析調査を行ってきた。

今回、これらの手法に加え、消費者の購買行動時の生体反応を分析する脳活動計測技術を活用した調査メニューを消費財メーカー向けに、本日から本格的に提供を開始した。

同調査メニューは、国立大学法人東北大学と株式会社日立ハイテクのジョイントベンチャーである株式会社NeUの提供する携帯型脳活動計測装置を活用した、消費者インサイトを分析する調査である。脳血流を計測することで、前頭前野で脳血流反応を示した箇所の活動状況を把握し、数値化することができる。これにより、消費者が商品や売り場に対して感じる言葉では表現が難しい直感的な感覚や無意識的な反応を定量化・可視化することが可能だ。

凸版印刷、脳活動を計測して消費者インサイトを分析
NeUが開発した携帯型脳活動測定装置「HOT-2000」
同調査メニュー特長は以下の通り。

  • 脳活動データとさまざまな調査メニューを組み合わせ購買行動を多角的に分析
    思考・創造・意思・計画などを司る前頭前野の購買行動時の脳活動を「注目」・「思考」の2指標で測定。さらにアイカメラで取得した消費者の視線データとあわせ、何を見てどのような反応を示したのかを解析する。分析結果から、商品パッケージ・販促ツールの効果を検証するだけでなく、凸版印刷の多様なマーケティングソリューションと連携し、消費者の購買意欲を喚起する店頭販促ツールの開発や売り場作りなど店頭ソリューションの提案までを行う。
  • 脳科学カンパニーNeUの知見を活用
    NeUの脳活動の見える化技術(fNIRS※)は、脳の直感的な反応を数値化し、より客観的・定量的な評価を提供している。NeUが開発した携帯型脳活動計測装置は、微弱な近赤外光を使用しており、赤ちゃんから高齢者まで安全に計測ができる。また、小型・軽量のため、被験者に負担をかけることなく、実際の店舗内など限りなく日常環境に近い状況で調査を行うことができる。

同調査メニューは、凸版印刷がこれまで提供してきた消費者の購買行動把握のためのインタビュー/アンケート調査と、購買行動時の視線の動きを記録・分析するアイカメラを使った行動視察などの調査メニューとを組み合わせて提供する。これにより、商品パッケージやPOPなどの販促ツールが商品選択・購買決定にどう機能しているか、これまでの視線解析の知見に加え、脳活動を可視化することでより深い検証が可能となる。

そして、同調査メニューを、企業の商品開発や販売促進活動をはじめ、WEBサイトや広告物への接触時の反応などにも応用する。また今後は、商品の使い心地や商業・公共施設のUD診断などにも活用できるよう開発を推進するとした。

同調査メニューの参考価格は、350万円~で、これはサンプル数や検証内容により変動する。

なお、同調査メニューは提供開始に先立ち、複数のメーカーに採用されている。

※functional near-infrared spectroscopyの略称。機能的近赤外分光法のこと。

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