パナソニック、赤外線アレイセンサ「Grid-EYE(グリッドアイ)」を用いた温冷感センシングソリューションの提供を開始

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、赤外線アレイセンサ「Grid-EYE(グリッドアイ)[1]」を用いた温冷感推定アルゴリズム※[2]を開発した。人の温熱快適性を見分ける高精度な温冷感センシングソリューションとして提供を開始する。

温冷感推定アルゴリズム※は、人の表面温度と周囲温度との温度差から人の放熱量を算出することで、人の暑い寒いなどの感覚を見分ける独自の技術だ。同社が提供する温冷感センシングソリューションは「Grid-EYE」を用いた高解像度アルゴリズム[3]で、詳細な温度分布測定と物体検知を行い、得られたデータを温冷感推定アルゴリズム※と組み合わせることで、体感温度に合わせた空調制御を実現する。また性能を最大限に発揮する独自のソフトウェアも開発し、用途に応じたソリューションとして提供していく。

同ソリューションは、家庭、オフィス、車などの空調制御に用いることで省エネと快適性の両立に貢献。また、今後アルゴリズムを進化させ、ベッド上の人の安静状態を検知する介護・見守り分野や、設備異常にともなう発熱を検知する設備異常診断分野など、安全・安心が要求される用途へも展開していくという。

 

特長

「Grid-EYE」を用いた放熱量算出による温冷感推定アルゴリズム※で、人の温冷感覚を見分けることができ、一人ひとりの体感温度にあわせた空調制御を実現。省エネと快適性の両立に貢献

従来の空調制御は、赤外線センサによる対象物(人)の位置検知や部屋の温度分布から、対象物(人)の温度を推定し制御を行っている。人の表面温度を検知しているが実際の人の感覚や温度の感じ方まで見分けることができないため、人によっては暑いと感じたり寒いと感じたり、快適性を損なうケースがあった。

同社では、奈良女子大学教授の久保博子氏との共同研究により、「Grid-EYE」を用いた放熱量算出による温冷感推定アルゴリズムを開発した。同アルゴリズムは、人の表面温度と周囲温度との温度差から人の放熱量を算出することで、人の暑い寒いなどの感覚を見分けることが可能。これにより、従来の位置検知、温度分布からの温度推定に加え、人の感覚を見分けることができるため、一人ひとりの体感温度にあわせた空調制御を実現でき、省エネと快適性の両立に貢献する。

「Grid-EYE」と組み合わせた高解像度アルゴリズムにより、非接触で詳細な温度分布測定、人や物体検知を実現。各種システムの高機能化に貢献

人の表面温度と周囲温度の温度差を高精度に算出するためには、対象物(人)の鮮明な熱画像が必要。

同社では、「Grid-EYE」と画像処理技術を組み合わせた、高解像度アルゴリズムを開発。8×8の64画素の「Grid-EYE」を最適な角度とスピードでスイングさせることで、約7800画素相当の鮮明な熱画像が得られる。これにより人の位置情報を詳細に検知するとともに、人の頭や腕、手足など細かな温度分布まで認識することが可能。

また、熱源を詳細に認識できるため、設備の温度監視などへの展開が期待できる。正確な温度分布測定、物体検知を実現でき各種システムの高機能化に貢献する。

性能を最大限発揮させる独自のソフトウェアと「Grid-EYE」をワンストップで提供。用途に適したソリューション提供により開発期間を短縮

これまでのセンサ単体の提供ではなく、Grid-EYE(グリッドアイ)のセンサ性能を最大限発揮させる独自のソフトウェアと組み合わせワンストップでソリューションを提供していく。用途に適したソリューションを提供することで、設計開発の時間短縮、工数削減のみならず、これまでにない機能の実現に貢献していく。

 

用途

・家庭、車の空調制御
・HEMS、BEMSの空調制御、動線検知
・介護、見守りなどの人検知
・エアコン、電子レンジなどの白物家電
・オフィス機器(複合機)やデジタルサイネージの人検知
・サーバ、データセンター、設備機器の異常診断など

 

基本仕様

※温冷感センシングソリューション
・出力:人の位置座標、人の温冷感(最大9段階)
・人検知距離:7m
・視野角:垂直方向 約60°、水平方向 約180°
・検知時間:30秒
(上記仕様は使用方法、使用環境などにより変動する)

 

[1]赤外線アレイセンサ「Grid-EYE(グリッドアイ)」
人や物体が放射する10um帯の赤外線を検知する画素64個を、二次元に配置したセンサで、レンズ、ASICを内蔵し、視野角60度のエリアの温度分布を100msで測定可能な、高精度な赤外線アレイセンサ。

[2]温冷感推定アルゴリズム
人の温冷感は、人と周囲環境との熱のやり取りに依存しており、周囲に熱を奪われる量が多いと寒く感じ、逆に少ない、もしくは周囲から熱を与えられる量が多くなると、人は暑く感じる。この原理に着目し、熱画像から、周囲環境に対する人の放熱量を算出することで、非接触で高精度な温冷感を推定する方法。

[3]高解像度アルゴリズム
赤外線アレイセンサ「Grid-EYE(グリッドアイ)」を各画素の視野角よりも細かいピッチでスイングし、得られた複数の熱画像を画像合成することで、安価なセンサを用いて鮮明な熱画像を得る信号処理方法。

 

【関連リンク】
パナソニック オートモーティブ & インダストリアルシステムズ(Automotive & Industrial Systems)
奈良女子大学(NWU)

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